腫瘍内科の教科書の位置付けは、少々難しいところがあると思います。
各臓器の腫瘍ということになると、どうしても各分野の専門書の方が詳細に書かれています。
一方ですべての腫瘍をカバーする教科書となると、診断、治療などどうしてもまとめ上げるのが難しくなります。
学生のレベルでは、腫瘍内科分野の教科書というのはあえて揃えておかなくても良いのかもしれません。
★★★ 入門腫瘍内科学
腫瘍学総論を学習するには医学部・研修医レベルで十分な教科書です。医学書としては若干薄い印象がありますが、腫瘍についての基礎知識をまとめています。
がん一般に関して横断的に解説してあり、腫瘍内科分野の教科書としては、最も標準的といえるでyそうか。
★★★ がん診療レジデントマニュアル
がん診療一般に利用できるポケットマニュアルです。
各癌腫に関する基礎知識や抗癌剤の投与量・スケジュールなどが掲載されています。巻末には代表的な抗癌剤とその副作用等が書かれており、学生実習や研修医レベルでは非常に役立ちます。
ポケットサイズであり、あくまで病棟で使うマニュアルでしょうか。試験対策や臨床講義と並行して使うには向いていません
★★☆ 新臨床腫瘍学
医師に向けて書かれたがん薬物療法のテキストです。
各癌腫における薬物療法については現在までの臨床試験を紹介し、代表的なレジメンを掲載しています。
臨床講義、ポリクリと平行して使うにしても内容が深すぎるため、レポートを書くなどの用途以外には、同じ日本臨床腫瘍学会が執筆している入門腫瘍内科学を購入した方が良いでしょう。
臨床試験などの内容は学生にも読みやすい程度にまとめられています。
医学書としては良書ではあるのですが、がん一般の領域を把握するにはあまりにも詳細すぎます。
かといって専門的な内容となると、各領域の専門書に軍配が上がりますから、教科書選びにはなかなか苦労するでしょう。
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