今やどこの病院でもカルテは電子化され、クリックひとつで患者さんの個人情報一気に見られるようになっています。
しかし病院の中に勤務しているからと、好き勝手に関係のない患者さんのカルテを見るわけにはいきません。
特に有名人が病院にやってきた場合などは、そのことをよく頭に入れておく必要があります。
病院には有名人がたくさんやってくる
病気や怪我は人種や性別を超えて、すべての人に起こり得るものです。
私も勤務している病院でも、世間に広く名前の知られた有名人とか、wikipediaに載っているような有名人の診察をする事は、ごくごく当たり前になっています。
中にはスポーツ選手とか、芸能人とか、そのプライベートを見てみたくなる人がいるのは事実です。
ただし、そのような患者さんのカルテがあるからといって、好き勝手に関わりない人の電子カルテをみてはいけません。
患者の名前をワンクリックする前に、ぜひ考えておくべきことがあるんです。
電子カルテでの行動は、すべて記録に残る
いまや病院の電子カルテは、知らないところでいろいろな機能が備わっています。
電子カルテのネットワーク上で、誰がどんな行動とったかアクセスログが記録され、閲覧記録が全て残ってしまうのです。
何時にどこの端末でログインして、誰のカルテにアクセスしたか、なんてのも全て記録に残るわけです。
私の勤務している病院の電子カルテも、患者のIDを打ち込めば過去に誰がアクセスしたのかすぐにわかるようになっています。
したがって電子カルテ上での行動も、十分注意しなければなりません。
カルテの変更も記録に残る
例えば患者さんのカルテを書いたはいいけれど、不都合なことがあったのでこれを削除しようとしたとか、医療裁判になったのでカルテを改ざんしたような事は、残念ながらその日時と共に全てばれてしまいます。
ドラマ白い巨塔では、医療ミスを隠蔽するために、カルテを修正液で消すシーンがありましたね。
このことはのちに原告側の弁護士に見つかり、裁判で指摘されることになります。
電子カルテも同様で、カルテを修正した時間、パソコンの場所などがすべて記録されてしまっているのです。
関係ない患者さんのカルテを閲覧するのはご法度
実際にちょくちょく病院関係者が、知り合いのカルテを無断で閲覧して、その情報を漏らしたなどと言ってニュースになることがありますね。
病院関係者が有名人のカルテをみただけて、すぐに解雇されるとか裁判になるなんてことはないでしょうけれども、客観的なデータとして残ってしまうのは好ましくありませんね。
そのほか医療訴訟の案件になりそうなカルテの閲覧についても、自重するようにお達しが来たこともあります。
裁判になればその閲覧記録なども提出されることがあるでしょうから、病院側としてもある程度コントロールしたかったのでしょう。
電子カルテの情報は結局のところ個人情報ですから、いくら病院に勤務しているからといって誰でも好き勝手にみて良いものではないのです。
紙カルテだとどうか?
じゃあ、紙カルテだと閲覧しても問題ないんじゃない?記録残らないし、という疑問もあるでしょう。
もちろん紙カルテには誰がみた、みていない、という記録を残せるはずはないので、有名人のカルテは見放題ですね。
もし紙カルテが誰もいない深夜のナースステーションにあったりするならば、それを見たところで注意されることはないでしょう。
ただしそれ以前に、今や全国どこの病院でも、手術をするようなある程度規模の大きい病院では電子カルテが備わっています。
そもそも有名人や著名人が、そのような紙カルテを使っている病院に通院しない、というのが実際のところではないでしょうか。
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