おすすめ教科書・医学書(シリーズもの)

医学書の中には、分野ごとに一冊ごとの医学書になっている、いわゆるシリーズの教科書というのがあります。

ここでは、代表的な医学書シリーズについてご紹介したいと思います。

★★★ 病気がみえるシリーズ

国家試験対策において多くの参考書を出版しているメディックメディアが出版している医学参考書です。

病気がみえるシリーズはイラスト、画像、グラフが主体となって構成されています。

全体的にはコメディカルが読む事も視野に入れて出版されているため、資格的に理解しやすいようにまとめられています。

シリーズを通して全ページカラーで、とても医学書とは思えないテイストになっています。書かれてある文章はイラストや画像の説明がほとんどであると言っても過言ではないでしょう。

内容はというと決してコメディカルの域には留まらず、基本的な内容であれば医学生、研修医レベルのことまで書かれています。

呼吸生理のページなどでは標準的な教科書ですら割愛されているような内容が説明されていたります。

この辺りは国家試験対策の書籍を出版しているメディックメディア社の強みが出ているような気がします。

創刊されて間もないシリーズでありながら、かなりの支持を得ているようで、多くの学生がこの教科書を使っています。

講義にやって来る医師の中には「病気が見えるは教科書ではないから、ハリソンを読め」とご高説される方がいますが、同じ内容ならば分かりやすく、効率よく学んだ方が良いですね。

無理して難しい教科書に飛びつく必要もないのでしょう。

ほとんどの教科書はAmazonでの評価が非常に高く、試験対策、国家試験対策などあらゆる場面に使える教科書です。

★★☆ 標準医学シリーズ

標準医学と言うだけあって、各分野の医学的事項が標準的に描かれています。

ここで言う標準的と言うのは、導入部分から始まり、一般的な疾患の疫学や背景、病態生理、症状、診断方法、治療法などが列記してある、ということになるでしょうか。

標準シリーズ全体の傾向としては文章はやや硬く、視覚で理解すると言うよりは、文章を何度も読んで理解していくと言う形になります。

ですから、目で理解する病気が見えるシリーズとは、やや立ち位置が離れていて、どちらかと言うと文章主体のステップシリーズに近い立ち位置といえます。

内容量も、病気が見えるシリーズなどと比較すると、かなり多くなっています。また、書いてある内容も非常に細かいものになっています。

それらは国家試験のレベルを超えていますので、辞書的に使うというのが正しい使い方かと思います。

★★☆ STEPシリーズ

海馬書房が出版している医学参考書です。診療科、分野ごとに出版されています。内容量としては標準的な内科学書と同程度です。

STEPシリーズの特徴は、なんといっても文章主体で構成されていること、口語調で書かれている事の2つでしょう。

STEPシリーズの執筆者は各シリーズとも1~3名となっており、全体を通して統一性があります。改訂時期は各分野によって異なります。

そしてSTEPシリーズは文章主体で構成されており、図やイラストは最小限に抑えられています。本文は口語調で書かれていますので、文章主体ながらすらすらと読み進める事が出来ます。

全体的に内容量は標準的な教科書だと言えますが、やはり視覚での理解という点に弱点があります。

いくらわかりやすく説明されたとしても、百聞は一見に如かず、ですからね・・・。また文章主体の構成であるため、試験対策には使いにくいかもしれません。

★★☆ 病態生理できったシリーズ

STEP、病気がみえるシリーズと並んでよく読まれているシリーズです。全体的に内容は少なく抑えられており、病態生理の解説をしつつ、要点を絞って書かれてあります。

このシリーズは少数の著者によって口語調で書かれているので、統一感のある文体、内容になっています。

イラスト、画像などは最小限掲載してある程度で、各項目に対する説明も「教科書的に解説したといよりは、講義調に説明した」体裁をとっており、内容量は病気が見えるやステップに比較するとかなり少なくなっています。

試験対策や講義と平行して、というよりは各分野の導入に使うのが良いかと思われます。

良い本なのですが、出版されていない領域があったり、改訂のスピードが遅かったりしています。やはり病気が見えるシリーズには及ばない印象です。

★☆☆ TEXTシリーズ(南山堂)

南山堂より出版されているテキスト。主にマイナー科を中心に出版されているようである。

標準医学シリーズとの比較で考えてみると、本書の方が文章中心であり、なんとなく読みやすい文体、流れになっています。

また医学生を対象として執筆されており、あまり深く突っ込む事なく必要な事項だけが説明してある印象を受けます。

書籍紹介では5年以内くらいに改訂された教科書だけを掲載しています。標準医学シリーズに比較すると知名度は高くなく、また改訂の頻度も遅いため基本的には標準医学シリーズを購入されることをお勧めします。

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リハビリテーション – おすすめ教科書

リハビリ学は国家試験で深く問われることはないでしょうし、問われる内容があったとしても、神経内科、もしくは整形外科の領域かと思います。

ですから、おもな使用用途としては、講義や病院実習と並行して使うとか、試験対策に使うということになるかと思います。

したがって、この領域には学生向けの良書が少ないという現状はあるかもしれません。

★★☆ 最新リハビリテーション医学

医歯薬出版より出版されているリハビリテーション医学の教科書。

本書の特徴はリハビリテーションの幅広い内容が要領よくまとめられていることである。

中身は文章中心に構成されており、グラフや表はそこまで多くない。また各項目も医学生が知るべき程度の内容にとどめられている。

812ページという本書の厚さや、リハビリテーション医学がマイナー医学であることを考えると、決してもの足りない教科書ではないだろう。辞書的に使うのが適当。

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消化器内科 – おすすめ教科書

消化器内科だけの教科書というのは、学生、研修医レベルではあまりないかもしれません。どちらかというと、専門書になってしまうでしょうね。

むしろ内科学一般の教科書の中にある、消化器内科的事項を読んでおいた方が、効率が良いかもしれません。

★★★ 病気が見える 消化器

病気が見えるシリーズの消化器本です。

系統的にあまり良い教科書がない中で、Amazonでは高い評価を得ています。視覚的に学習できるといのは、理解が深まります。

おすすめ教科書・医学書(シリーズもの)

★★☆ 消化器内科学(医学スーパーラーニングシリーズ)

消化器内科学のテキスト。

医学部生向けということもあり、内容は医師国家試験に向けて学生が知るべき事にとどめられている。

各疾患は疫学、病理、画像所見、症状、治療の流れでまとめられており、読みやすい。また本文に加えて画像、診断基準、フローチャートなども多数掲載されており全体として理解しやすくなっている。

個人的には標準医学シリーズよりも本書の方が取っ付きやすく、是非本書をお勧めしたい。臨床講義と平行して、または試験前に辞書的に使うのが適当。

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形成外科 – おすすめ教科書

形成外科分野も、あまり核となる教科書がないのが実情ではないかと思います。

大学病院や総合病院などの形成外科では、おもに口蓋裂などの先天奇形、褥瘡などの医療関連疾患、または頭頸部領域の再建、熱傷の皮膚移植などがメインではないかと思います。

これらの疾患のどれほどが、国家試験で出題されるかということになると、正直出題のウェイトが低い印象は否めません。

せいぜい出題されるとしても、熱傷の割合計算くらいでしょうか。ですから、形成外科の講義や病棟実習で使うべき教科書というのは、かなり絞られてきます。もとより、あまり選択肢がありません。

ここでは形成外科の辞書的な教科書について、2冊ほどご紹介したいと思います。

★★☆ 標準形成外科学

医学書院より出版されている標準シリーズのひとつ。

皮弁などの項目ではイラストを交えて説明してあり理解しやすい。熱傷の割合計算法や輸液の基本なども説明してあり、学生目線で必要な事が書かれている。

内容量は学部の試験や国家試験で出題される問題数と比較すると十分だろう。

試験対策というよりは、講義や実習で辞書的に使うのが適当。

★★☆ TEXT形成外科学

TEXTシリーズの形成外科書。

2017年3月に3版が出版されており、比較的新しい医学書と言えるかもしれない。

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呼吸器 – おすすめ教科書

呼吸器分野も、「病気が見える」以外には、あまり良い教科書はないかもしれません。

講義や試験対策として使うならば、やはり下記の病気が見えるシリーズが一番、安全安心なのではないかと思います。

★★★ 病気が見える呼吸器

呼吸器分野も病気がみえるシリーズが出版されていますね。詳細はこちらをご覧ください

★★☆ レジデントのための呼吸器内科ポケットブック

知識を詰め込んだというよりは、呼吸器内科ローテーションで知っておくべきことを全体的に浅く網羅したポケットブック。

各疾患について詳細に説明してあるというよりは、診察法や肺雑音の出方などをイラストやテーブルなどを用いて説明する、守備範囲の広いテキストだといえるだろう。

それだけにこの本だけで十分ということはなく、物事を調べる取っ掛かりになるテキストである。

★☆☆ 肺機能テキスト

呼吸器分野で行われる代表的な検査項目について詳細に解説しているテキスト。

肺拡散能など理解がむつかしいところも、詳細にわかりやすく解説してる。150ページほどの薄い本であるが、大きなイラストを用いて説明してあり、視覚的に理解することができる。

また、文章は生理学的なことからはじめて解説してあり、臨床的な知識が不足していても理解することができる。

国家試験が迫っても、各検査の原理原則をよく理解せずに学習が進んでいるがあり、そのような場合は本書の出番である。また、臨床実習でも役に立つ。ただし、最終改訂が若干古いのが惜しい

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救急・麻酔 – おすすめ教科書

救急・麻酔分野の教科書は、どちらかというと臨床現場向けに書かれたテキストが多いですね。

救急・麻酔分野はやはり手を動かして初めて成り立つ学問です。

またほとんどの研修医は麻酔・救急分野を経験しますから、医学書のマーケットという点においても、臨床向けの教科書のウェイトが大きくなってしまうのも頷けます。

ここでは、医学部の講義向けの教科書と、研修医向けの教科書に分けてご紹介したいと思います。

講義向け

★★☆TEXT麻酔・蘇生学

研修医・医学生用に書かれた麻酔学・蘇生学(救急)のテキストである。学生向けとあるだけに、出版社の紹介にある臨床実習メモ、イラストなどを含めて理解しやすい。

特に体内閉鎖腔と笑気吸入麻酔を扱った部分では図を用いて非常に分かりやすく書かれてある。

内容量は全体的に抑えてあり、麻酔学は学生レベルで標準的な内容を、蘇生学では総論程度のことしか触れられていない。

しかし、麻酔や救急が医学教育のレベルではマイナー科であることを考慮すると、全体で526ページというのは決して内容不足ではないのだろう。

臨床講義と平行して、試験対策に、どちらにも使える教科書である。

☆★★ 標準救急医学

標準シリーズの教科書。

救急・麻酔分野では座学向けに書かれた教科書は少ないので、講義での教科書ということになると、こちらの医学書も十分選択肢に挙げられる。

研修医向け

★★★ ICU実践ハンドブック

ICUブックが教科書的だとすると、本書はより実践的で臨床に即した解説が多い。

各疾患の一部には実際の処方例や薬剤量なども掲載されている。各疾患・病態は臨床、診断、治療、の流れで解説されている。

コンパクトサイズながらイラストや写真はそれなりに掲載されており、研修医が読むには最適。

★★★ ICUブック

ICU管理について書かれた名著の訳本で、ICU実践ハンドブックと比較すると教科書的・辞書的である。

ICU管理でぶち当たる臨床上の疑問についてポイントを絞って解説され、それぞれにエビデンスとなる論文が引用されている。

それだけに、研修医が読み進めるには少し難解かもしれない。論文を引用したデータのfigureなどは掲載されているが、写真やイラストは多くはみられない。

もちろん研修医になってから読む本

★★★ 麻酔科研修チェックノート

麻酔科研修医向けのポケットマニュアル。コンパクトサイズでありながらカンファレンスでのプレゼン方法、術前回診で問診すべきことなども触れられており、麻酔科研修で必要なことが網羅されている。

実際使用するにあたって重宝するのは、ページの巻末にまとめられている麻酔科で用いられる薬剤の用途と使用量が簡潔にまとめられている項目である。実際の手術室で疑問に思った点をすぐにリファレンスできるのは役立つ。

一方で麻酔科で経験する手技や、各手術に対する麻酔管理などはかなり簡潔に書かれており、他の教科書で補う必要があろう。

麻酔科をローテートする同期の研修医はほとんどみんなこの本を持っていた。

★★★ 人工呼吸管理に強くなる

A4版で309ページ。書いてある内容としては人工呼吸器に初めて触れる入門者(研修医、コメディカル)向けの教科書である。

呼吸生理や鎮痛・鎮静の考え方から解説がはじまり、予備知識が不十分でも読む進める事が出来る。イラストやグラフは豊富で、視覚的に理解できる。

本書の特徴は人工呼吸器のウィーニング(離脱)やNPPVについても多くの説明がなされており、入門書ながら臨床に即した内容となっている。各章の最後には演習問題も掲載されている。

流石に学生で使う機会はないと思うので、購入するなら研修医になってからといったところか。

★★★ 必ずうまくいく!気管挿管

なんといっても本書の特徴は、ビジュアルで理解できるところである。

動揺歯がある患者での挿管や、挿管チューブの固定方法などに関しても、写真をみながら理解する事ができる。

ラリンジアルマスクの挿入方法、エアウェイスコープを用いた挿管方法などについても触れられており、術中気道確保に関して総合的に解説したビジュアルブックといえる。

麻酔科をローテーションするならば、持っておいても村はないだろう。

★★☆ MGH麻酔の手引き

世界的に有名はMGH、マサチューセッツ総合病院のテキスト。

麻酔科研修ハンドブックがレジデント向けであるのに対して、本書は実際に手術室で行われる麻酔の導入、維持、覚醒に関連する事項について解説した麻酔科医向けのハンドブックである。

ポケットサイズでありながら、ページ数は880ページと分量はかなり多くなっている。

各臓器別の手術に対する麻酔のかけ方、合併症をもつ患者において気をつけることなど、より臨床に近いしてんから書かれており、レジデントのうちは辞書的に使うのが適当だろう。

硬膜外麻酔や気管挿管などの手技についても触れられているが、かなり簡潔である。

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先生まだ医局辞めてないんですか?