いろいろな疑問にネットユーザーが回答してくれるYahoo知恵袋。
ちょっとしたことを気軽に質問するには便利なサイトですよね。
ただし、医療分野の質問に対してはトンチンカンな危ない回答もあったりして、注意しなければならないかもしれません。
医療分野の回答は間違いが多い
何気なく医療分野の質問とその回答見ていると、回答内容に間違いがあまりにも多いことに気づきました。
例えばあるがんの治療方針に対して、絶対的に手術を行うべき症例にも関わらず、「経過観察すべし」とか「免疫療法を行うべし」なんていう全く見当違いの回答がなされているのです。
病院では口走ったらならば、すぐに周囲の医師から怪訝な目をされるか、最悪の場合は病院を追い出されても文句がいえないくらいの発言です。
どこの馬の骨ともわからないユーザーが好き勝手に回答しているわけですから、その情報の質には十分注意なければなりません。
一歩鵜呑みしてしまうと、病院に行くべき病気を放置しておいて、気付いた時には手遅れなんてこともあるかもしれません。
インターネットの情報は取捨選択が必要
このようにインターネット上の医療情報は、大多数の信用できない情報の中に本当の情報があり、慎重な取捨選択が求められます。
私たちが普段臨床業務を行っていても、患者さんの治療方針や行う検査などにおいて、意見が分かれることが多々あります。
ましてやインターネット上では、患者さんの全身状態や詳細な検査結果などは知ることができませんので、当たり障りのない回答しかすることができません。
医療の専門家ですらそのような状況なのですから、「絶対に手術」とか「絶対に経過観察」などといった断定的な情報には注意すべきです。
とは言っても、医療にあまり馴染みのないユーザーが、正確な医療情報を見分けるのはかなり難しいと言って良いでしょう。
民間治療を促す回答もある
さらに困ったことに、民間療法に誘導しようとする回答も見られます。
よくあるのは、がんに関する質問のトピックで「ムコダインや大豆、サプリメントなどを摂取していないからだ。これらを毎日食べるようにすれば、がんはなおる」といった具合の回答です。
もちろんムコダインやサプリメントなんかいくら飲んだところで、がんが治るわけがありません。
それらの食品を食べることでがんが治癒するのであれば、厚生労働省はとっくの昔に医薬品として認可しているはずです。
このような書き込みをしているのは、おそらくがん患者やその家族を民間療法に誘導したいからなのでしょうが、がん患者を手玉にとる考えは悪質です。
正しい医療情報を求めて彷徨うユーザーに、間違った医療情報を提供する個人や業者がいることを十分に心得ておかなければなりません。
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