【医師の視点】グルコサミン・コンドロイチンは関節炎に本当に効果があるのか

CMでグルコサミンという単語はよく聞きますが、いったい何者なのでしょうか。

普段臨床医として働いても、グルコサミンという物質には馴染みのないものです。

整形外科の先生なら「ああ、あれね」となるのかもしれませんが、普通の医者なら、よく知りません。

そんなグルコサミンの効能効果について、医学部的な見地から考えてみたいと思います。

グルコサミンとは一体何ものなのか?

Wikipediaによると、グルコサミンとは軟骨の主成分であるヒアルロン酸などを構成するタンパクとのことです。要は体にいいタンパク質といったところなんでしょうかねぇ。

単一成分、またはコンドロイチン(コンドロイチン硫酸)との混合物として、栄養補給サプリメントや健康食品として販売されている。経口摂取の場合の変形性膝(-しつ)関節症への効果はない。

Wikipedia: グルコサミン

。。。。ん?

すでに経口摂取の場合には関節症への効果はない、なんて書かれていますね。

まっ、これで終わってしまっては面白くないですから、もう少し突っ込んで考えていきましょう。

論文レビュー

というわけで、論文でもレビューしていきたいと思います。

論文1:グルコサミンサプリの効果はなし

Br J Sports Med. 2017 Oct 10.
Dietary supplements for treating osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis.
PMID: 29018060

2017年にオーストラリアから発表された論文です。

このSystematic reviewというのは、たくさんの論文を集めて考えましたというもので、論文を一つ一つ読むよりも全体の傾向をつかむことができます。そしてこのような論文に書いてあることが、もっとも信頼できそうな事実となります。

論文の中には

The overall analysis including all trials showed that supplements provided moderate and clinically meaningful treatment effects on pain and function in patients with hand, hip or knee osteoarthritis at short term,

結論の部分の出だしは、結構期待がもてる内容が書かれています。

手関節、股関節、膝関節に変形性関節炎がある患者においては、疼痛を和らげたり、機能を改善する効果があったと書かれています。あれ??グルコサミンて効果はやっぱりあるの?と思いきや、これらのお効果については「その効果は短期的なものに限る」と書かれています。

どんどん読み進めていきます

although the quality of evidence was very low.

Some supplements with a limited number of studies and participants suggested large treatment effects, while widely used supplements such as glucosamine and chondroitin were either ineffective or showed small and arguably clinically unimportant treatment effects.

どうやら特定のサプリメントについて研究した数少ない論文では、「サプリメントはよかった」というような報告がされているようです。ただし、そのほかの大多数のサプリメントについて研究した論文では、たいした効果はなかったようです。

Supplements had no clinically important effects on pain and function at medium-term and long-term follow-ups.

そして一番最後の部分では、中・長期の経過では、サプリメントは関節に何にも効果がない、と書かれてあります。たくさん論文をあつめて効果がない、ということですから、本当に効果がないんでしょうね。

何事も医学的に0か100で答えることは難しく、この辺りが迷いどころです。いずれにしろwikipediaでの指摘通り、グルコサミンサプリメントにはその医学的な効果はなさそうです。

ガイドラインにみるグルコサミンの効果

さて、このグルコサミンですが、外国でもメジャーなサプリメントなのか論文がたくさん出てきます

それらの論文の結果を総合的に判断し、アメリカや日本の公的機関が、グルコサミンサプリメントに関する見解を発表しています。

アメリカのガイドラインでは効果なし

アメリカのNIHでは、以下のように記載があります。

What do we know about the effectiveness of glucosamine and chondroitin supplements?

Research results suggest that chondroitin isn’t helpful for pain from osteoarthritis of the knee or hip.

It’s unclear whether glucosamine helps with osteoarthritis knee pain or whether either supplement lessens osteoarthritis pain in other joints.

コンドロイチンいついては膝や股関節の疼痛を改善する効果がないと書いてありますね。グルコサミンについてはよくわかっていないと書いてあります。

ちょっと下のほうに読み進めていくと、最新の知見についてまとめてあるわけですが、やはりコンドロイチンは効果なしとなっています。

一方でグルコサミンについては、まだ議論があるところのようで、必ずしも効果がない、わけでもないようです。むむ、難しいですね・・

総合的にはアメリカのガイドラインでも、積極的に勧めているわけではないようです。

国民生活センターでは、品質上問題あり

日本の国民生活センターでも、これらのサプリメント、健康食品について声明がだされています。

関節痛の緩和など具体的な疾病の治療を目的とする場合は、医薬品を使用するのが良い。「健康食品」は、錠剤やカプセルが胃の中で溶けにくいものがあるなど、品質上も問題があった。

あまり効果については記載されていませんが、それ以前に品質に問題ありとのことのようです。

まとめ

どうせ膝になんか効果ねぇだろ・・・と思っていたいのですが、コンドロイチンはまさにその通りでした。

しかし、グルコサミンについては、まだ議論の途中のようです。

といっても日本の国民生活センターから勧告がなされている通り、品質上問題の多いサプリメントがたくさんということらしいのです。

あえて効果があるかどうか分からないサプリメント、健康を害するリスクを冒してまで摂取する必然性はないでしょう。

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