全国の地方病院では医師不足が深刻です。
常勤医の退職や、診療科の閉鎖は相次いでいますね。
都市部の病院でも、総合病院では医師不足が深刻であり、残された医師たちは過重労働を強いられています。
勤務医2人、退職へ 大和総合病院
▽眼科の手術・入院中止
光市の大和総合病院の常勤医師2人が3月末で退職することが28日、分かった。光総合病院の小児科常勤医師も3月末の退職が決まっており、市立2病院で計3人の減となる。市議会本会議の一般質問で、市病院局が明らかにした。2人はともに山口大医学部から派遣され、1994年から勤務する男性内科医(49)と、2002年から勤務する男性眼科医(45)。内科医は希望退職、眼科医は山口大医学部の医局人事という。
眼科の常勤医はゼロとなり、手術と入院は中止。病院局は非常勤医師の派遣を同学部に要請する方針で、週5日の外来診療日数を維持できるかどうかは未定という。内科医の常勤医は4人となるが、外来診療の日数などに影響はない。
05年に20人いた大和総合の常勤医は11年4月から11人、市立2病院では05年の計40人から28人に減少する。市は光総合を急性期、大和総合を慢性期医療の拠点とする機能分担方針を決めている。
中国新聞の取材に対し、市川熙市長は医師退職について「機能分担への影響はない」とした上で「医局人事への対応は難しい部分もあるが、医師を確保し地域医療を守りたい」と話した。(上木崇達)
常勤医の減少はどこの病院も悩みのタネ
地域医療崩壊の典型的な例ですね。
05年の20人から11年の11人まで常勤医が減少していますので、内科医師の方はおそらく待遇に見合わない労働に耐えかねて辞職したのでしょう。
また眼科医師の方は医局人事とのことですので、大学側が同病院と縁を切ろうということだろうと思います。
山口大の眼科医局が手を切ろうとしている以上、医師の派遣を要請しようとしても無理でしょう。
そもそも医局にとって大規模な関連病院を持つ事はその医局の勢力を示す一番の指標であり、医局員の数にも直結しています。医局員の数が順調に減少している現状、このような末端関連病院は真っ先に切られる運命にあるのでしょう。
内科医の先生に関しては、常勤医が4人になるとそれだけ残りの先生の負担が増します。すでにこの病院は崩壊していると言っても良いでしょう。給料は変わらずに労働が増える病院、未来にだれが希望を持てるでしょうか。
医療崩壊の典型例すら認識していないトップがいると、ますます医療崩壊が進むばかりです。医師ではなく住民ばかりに目が向いているようです。
2017年12月現在の状況
大和総合病院のホームページによると、眼科には常勤医師が在籍しているようです。山口大学の医局から再度派遣されることになったのでしょうか。
いずれせよ、地域住民にとっては良い結果となっているようです。
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