医学部に入学してくるのは、高校を卒業したり浪人した人ばかりではありません。
他の大学に在学している大学生や、一旦社会人になった方もおり、彼らはまとめて再受験生と呼ばれます。
医学部入試における再受験生の概要について考えます。
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医学部に再受験するパターン
医学部に再受験と書いたところで、その実際はさまざまです。
その複数のルートについてご紹介しましょう。
大学の違う学部から医学部に入学する
これが再受験性の中では一番割合の多いパターンでしょうか。
東京の有名私立大学や、東京大学、京都大学などから、異なる大学の医学部に入学してくるのはよくあります。
一方では同じ大学の理学部や工学部などから、同じ大学の医学部に入学し直すというパターンもあります
いずれにしても大学に籍を置きながら医学部受験の勉強しなければならないわけですから、集中力を保つのは並大抵のものではありません。
周囲の同級生たちはクラブ活動やサークル活動、アルバイトなど大学生活を謳歌している中、自分は必死に勉強しなければならないわけです。
加えて大学の単位を落とさないように最低限の勉強をしなければいけないわけですから、大学に在学しながら医学部再受験した学生は、素晴らしいモチベーションを持っていると言えるでしょう。
したがって彼ら彼女たちは、大学に入学してから医学部受験を志したわけではなく、もともと医学部志望であり、仕方なく他学部進学し籍を置きながら受験勉強を継続していると捉えた方が良いでしょう。
社会人から医学部に入学する
一旦大学を卒業し社会人となって働いたあとで、医学部に入学してくることもあります。
こちらの場合もすごく努力が必要と言えるでしょう。
企業等に勤めながら、医学部入学に必要なほどの学力を身に付けるのは至難の技ですから、みなさん仕事は一旦お休みしたり、会社を退職してからの受験になるでしょう
仕事に一区切りをつける必要がある点では、社会人の医学部受験はある程度リスクを覚悟しなければならないかもしれません。
受験から一旦遠ざかり、社会人として経験を積んでから医学部に入学してこられる再受験生の方は少数であり、彼ら・彼女たちはかなり優秀であった印象です。
再受験生たちが医学部受験を考える理由
それでは、再受験生たちはどのタイミングで医学部受験を考え始めるのでしょうか。
もともと医学部志望
高校生から医学部志望だった再受験生は一番多いパターンですね。
高校時代には医学部受験をするも学力が足りずに不合格、仕方なく他の大学や学部に進学する高校生は潜在的に非常に多いと思われます。
多くは大学生活が始まると医学部のことなんて忘れ、1人の大学生としてキャンパスライフを楽しむようになります。
一部の学生は医学部への思いが強く、他の大学や学部に入学した後も医学部を目指して医学部受験を目指している学生も多いと聞きます。
大学生なって、社会人になってから医学部を目指す
一方で大学受験の際には医学部受験を全く考えずに、大学在学中や社会人になってから医学部を志す方もいます。
医者になれば社会的な身分保障や給与の面では、将来の見通しが不透明な日本では恵まれています。
再受験生の中には、経済学や法学部などの文系学部に在学中もしくは卒業してから医学部に来る人もいて、相当に勉強ができそうな方もいます。
学士編入と一般受験。どっちがやさしいか
どちらの受験方法を選択するのが医学部入学に近いかどうかは、悩ましい問題です。
学士編入はみっちりした試験対策は必要ないですし、医学部の専門課程から学び始めることができますから、一見学士編入の方が再受験生には向いているように思います。
ただし医学部学士編入の倍率は恐ろしく高いですし、実際に合格した方々の経歴はピカイチです。
総合的には一般入試の方が医学部への近道、であることが多いように思います。
一般入試でも高い学力は必要
しかし一般入試も必ずしも簡単なわけではありません。
一般入試の場合には、全国の有名私立一貫校の受験生と肩を並べて入学試験の点数勝負をしなければなりません。
倍率の点では学士編入試験よりも低いことがほとんどですが、受験の準備に費やす時間は膨大になってしまいます。
やっかいな面接試験
また面接試験も厄介です。オフィシャルには年齢や経歴による差別はされていない、とされています。
しかしフレッシュな18歳高校生と、受験勉強にほとんどを費やした20代半ばの受験生がいたとしたら、残念ながら面接官としても前者の方が好印象でしょう。
2018年には女性や浪人生をあからさまに差別していたとして、東京医大の入試制度が大きな非難を浴びました。
もし私が医学部入試の面接官だとしたら
恐れ多し話ですがもし仮に私が医学部入試の面接官だったとします。
18歳の高校生と28歳の再受験生がいたとして、学力やキャラクターが同じであれば、よっぽどのことがない限りは前者に高い点数をつけるはずです。
医者になってから長い期間働けるのは前者ですし、実際に研修医となった時に指導しやすいのも若い研修医になります。
病院によっては年齢で当直のあり・なしが区切られている場合もありますから、労働力の点では絶対に若い方が有利です。
一方で医学部の狭い世界の中で、同じ価値観の人間だけが集まるのはあまり好ましくありません。
多様な価値観は医学部の中でも、医者の世界でも絶対に必要です。
仮に28歳の再受験生が製薬会社で研究開発をしていたとか、違う分野で論文を書いていて、その上で医学部に強い志望動機があるのならば、十分に18歳の受験生と同じ土俵で戦えるのだと思います。
ですから医学部再受験生にとっては、現役の高校生を超えるだけの学力と医学部志望への強い動機が求められることになるでしょうね。
成功者の背景には膨大な数の敗者がいる
再受験生として医学部に入学し、医者になった先生の中には常識がなく、不真面目で、どうしようもない先生もいます。
それでも彼らは、狭き門をくぐり抜けてきた受験の勝者ということになろうかと思います。
受験は残酷なものです。
合格することができれば医者になることができますが、不合格が決定すれば勉強に費やした努力が無駄になってしまいます。
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