【医師の視点】医者が行うインフォームド・コンセントの概要。どんなことを話しているのか




臨床現場で医師として働いていると、避けられないのがインフォームドコンセントとなります。

病院内ではよくICという略語で呼ばれるのですが、日本語訳にすると「説明と同意」ということになるでしょうか。

これは文字通り、患者さんにこれから行う検査や治療の説明をし、それに同意してもらうということになります。

インフォームドコンセントの概要

特に、医療行為(投薬・手術・検査など)や治験などの対象者(患者や被験者)が、治療や臨床試験・治験の内容についてよく説明を受け十分理解した上で(英: informed)、

対象者が自らの自由意志に基づいて医療従事者と方針において合意する(英: consent)ことである(単なる「同意」だけでなく、説明を受けた上で治療を拒否することもインフォームド・コンセントに含まれる)。

Wikipedia: インォームドコンセント

このインフォームドコンセントという言葉は、患者の同意を得る場合にも使われる用語なのですが、病院の中では患者への説明、のことを表すことが多いでしょうか。

インフォームドコンセントだとちょっと長いので、略してIC(アイシー)なんて呼ばれることが多いですね。

ICといってもインターチェンジじゃあないですよ。

検査の結果や治療の結果を説明し、今後の方針を相談する場を呼ぶ場合にも使われます。

この場合には、同意を得るためというよりは説明と相談という意味合いの方が強いかもしれません。

いずれにしろ、医者と患者さんが、真剣に病気のことを話し合う場であれば、インフォームドコンセントの場と呼んでも大きな間違いはないでしょう。

インフォームドコンセントの実際

あるがん患者さんの例で考えて見ます。

まずは外来でいろいろな画像の検査を行ったり、病変から細胞を取ってきたりして、病気の診断やその広がり具合を決定していくことになります。

そして検査が一通り揃った段階で、患者さん本人はもちろん、家族を交えて現在の状況と今後の治療・見通しについてお話しすることになります。

この家族を交えてというのは非常に重要で、高齢の患者さんの場合には、本人だけに話しても理解されていないことが多いですね。

またたとえ患者さん本人に理解力があったとしても、入院して治療を行うことになれば家族のサポートは必要ですから、家族の理解と患者さんの理解が異なっていては大変困るからです。

例えば患者さん本人は病気を直すのがなかなか難しいと分かっていたとしても、家族のほうはそのように思っていないかもしれません。

そのような場合には治療の受ける止め方も違ってくるので、やはり患者さん本人と家族の病気に対する理解を、医療者側と共有しておくことが非常に重要です。

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2018年2月23日

医者がインフォームドコンセントではなすこと

さて患者さんの病状説明では、検査結果を元にして、現在の病気の広がり、治療方針、治療がうまくいく可能性などをお話しします。

この段階で治療法が全くない、ということはそうそうありません。

しかし病気がかなり進行していて手術や放射線治療が行えず、完治の可能性がほとんど望めないような場合には、

病気を治すことが目的ではなく、あくまで良い時間を長く持てるような治療が主体になります

というように、正直に見込みをお伝えするようにしています。

厳しい話をすることも多いので、若い患者さんやその家族だと、大変落ち込んでいる様子を垣間見ることもあります。

そのような姿を見るのは、やはり私たちも同様に辛いです。

大抵の場合は、病院で設定されるインフォームドコンセントで患者さんにとってうれしい情報が提供されることはなく、医療者側にも精神的な負担は重くのしかかります。

ただし今の医療の状況では、嘘をついてまで患者さんに希望を持たせる、ということはもはや許されていません。

ですから、本当のことを話すのは絶対条件ですね。

インフォームドコンセントでの質問はウェルカム

私は日々患者さんを診察していて、例えば初診の患者さんや、節目の患者さん、いろいろな検査を行ったあとの説明の患者さんには、最後に「何か質問ありますか」と聞くことにしています。

そして1番重要なのは、やはり検査結果が出揃って、現在の状況と今後の治療法や見通しについてお話しする時です。

そういう場合には必ず最後に患者さんの質問を聞くようにしています。

たいていの患者さんは、「特に質問ありません」とか「先生にお任せします」とかおっしゃられることが多いです。

また質問される患者さんがいたとしても、半分ぐらいは医療行為の内容と言うよりは、生活上の注意事項であることが多い印象です。

例えばこの治療をしていても運動しても良いか否か、この薬を飲みながらでもビールを飲んでいいか、などといった質問の方が多いように思います。

治療内容は複雑で専門的ですから、一度の説明だけではなかなか理解してもらえないことも多いかと思います。

それでも、医師と患者関係の構築のためには、疑問に感じていることを気軽に聞き会える関係性が大切かなぁと思っています。

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2018年1月6日

確信的な質問をされる患者さんもいる

時折こちらが唸るような、医学的な核心をついた質問をされる患者さんもいます。

いまや患者さんもインターネットや本で医療情報を仕入れており、私たち医師も気が抜けません。

患者さんにも当然質問する権利があると思いますし、疑問を持ちながら治療するよりも、そのような治療に対する疑問はなるべく少なくして治療に挑んだ方が良いと思っています。

したがって質問されて気分を害する医者は全くいないでしょうね。むしろ患者さんからの質問に怒ったりするようでは、医師として失格というべきでしょう。

インフォームドコンセントでは医者の素質がわかる

そしてこのインフォームドコンセントでは、医者の素質が出ることが多いように思います。

研修医時代には、いろんな先生のインフォームドコンセントの現場に立ち会わせていただく機会がありました。

ちょっと早口で喋る先生、ゆっくり丁寧に話す先生、喋り方や態度は申し分ないものの、若干言葉が難しい先生など、やり方は様々です。

ほとんどの先生は第三者として聞いていて問題ないレベルなのですが、中には普段からあまり評判の良くない先生が、突然患者さんに暴言を浴びせたりする先生もいました。

自分が医者になって、一人でインフォームドコンセントをする身分になってよくわかるのですが、このインフォームドコンセントの機会は、患者さんとの関係の中で、1番か2番くらいに大切な時間です。

そんな瞬間に患者さんに暴言を吐いてしまうなんて考えられないのですが、やっぱり評判の良くない先生は、常識がないのか、そういう発言をしてしまうようですね。

人間性が垣間見えるのが、インフォームドコンセントの場なのでしょう。

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