【勤務医の視点】医者の将来はあまり良くない。そう思う理由を5つ挙げてみる




よく親戚からは「医学部に入ってよかったですね」と言われることがあります。

でも本当によかったのでしょうか?

子供たちのなりたい職業ランキングでは、常に上位ベスト5に入っている医者。あながちその認識は間違っていないでしょう。

ただし医者が本当に幸せな人生を送っているか、これからも幸せかどうかは、なかなか難しいところです。

ここではなぜ筆者が、医者=幸せな人生でないと思うのか、そのことについて書いてみたいと思います。

医者へのリスペクトが減っている

以前は医者というと尊敬される職業であったわけですが、どんどん尊敬されなくなっています。

医療情報はインターネット上にあふれ、だれでも医療情報に簡単にアクセスできるようになりました。

また、病院の口コミを参照し、患者側が病院を選べるようになっていきました。

それに週刊誌やテレビ番組による必ずしも正しくない医療情報の流布により、逆に病院を信用できない、というような事態も生まれています。

そのような変化を背景として、病院の現場で働いている医師の地位はどんどん低下しています。

少しでもミスがあれば、医療訴訟のリスクがありますし、診察を受ける前から医者の揚げ足を取ろうとしている患者もいます。

もはや医者という職業は患者から尊敬される職業ではないのです。

労働環境が改善される可能性は少ない

ご存知の通り、現時点ですでに医者は激務です。

病院や診療科によっても異なりますが、朝9時に仕事が始まって5時に仕事終わる事はまずありません。

とりわけ総合病院の勤務医として働いている場合には、土日祝日の呼び出し・夜間の呼び出も当然ありますし、一晩病院に泊まり込む当直業務も行う必要があります。

ですから拘束時間や労働時間の点だけではキング・オブ・ブラック企業と言っても良いでしょう。

そのような労働時間の長さに嫌気がさして、勤務医を辞めていく医者も多いですね。

開業医の先生や保健所などの公的機関に転職した先生、最前線での仕事を辞めてゆったりとした療養型の勤務を選択している先生など、いろんな医者を多くを見聞きします。

ほとんどの先生が、違うフィールドで活躍をしたいと考えるよりは、勤務医としての長時間労働に疲弊して、流れに身を任せて勤務医を辞めていく印象があります。

医者は長時間労働や当直で休めない。病院はブラック企業である

2018年1月5日

医療需要の予測。今後も医者の忙しさは変わらない予想

日医工医業経営研究所HPより

上のグラフは、いくつかのシナリオに基づいて算出された医療需要の予測です。

2020-40年ぐらいにかけては、少子高齢化の進行に伴い医療需要が伸び、必要な医師の数も増加することが予想されます。

需要の予測にはかなりの幅があるようですから、医療需要の正確な予測は難しいのが現実です。

早熟型では今後10年以内の2025年から医療需要が減少すると予測されていますが、医療現場で働いている医師の感触としては、この可能性は低そうです。

患者一人当たりにかける時間は確実に長くなっていますし、新薬や新しい治療法の登場によって患者が病気になってから生きる期間は確実に長くなっています。

1人の患者さんと長くつきあうようになっているのです。

医療需要は今後20年くらいの間は、増えることはあっても減ることはなさそうですね。

医者の数を増やすという政策は行われているけれど

2010年ごろより、政策により全国の医学部の定員が増やされたり、新たに医学部が設置されたりしています。

医師不足を解消するために、医師の数を増やそうという試みが開始されています。

ただ医者という仕事は人間に対するサービス業である以上、24時間の対応が基本で完全なオフというのが生まれにくい職業であります。

政府が医療費削減のために進めてている在宅医療においても、24時間対応が必要であることは変わりありません。

また医療の高度化に伴って、患者一人当たりにかける医師の労働時間はどんどん長くなっています。

数十年前であれば、病気に対する治療法は今に比べてかなり限られていましたから、患者さん一人に対する治療の方法、治療の期間も限られていました。

一方で現代では医療の発達により、完治が難しい病気であっても、2年も3年も治療を続けることが可能になっているのです。

例えば大腸癌のステージ4、肝臓に転移のある症例であっても、有効な抗がん剤の登場や治療方法の発達により、いまや積極的な治療が試みられています。

ですから単純に医者の数が増えるからといって、現在病院で働いている医師の負担が格段に減るかとなると、その可能性は低そうです。

給料は横ばいか減る見通し

日本において今後のさらなる少子高齢化、医療費・社会保障の増大に伴って、医療費全体の伸びを抑えることに力が注がれるのは間違いありません。

民間企業の社員の給料が上昇する中で、間違いなく医師の給料の上昇幅が抑えられますし、医師の給料は今後は減っていくかもしれません。

病院を経営する側としては、短い時間で多くの患者を診察することが重要になってきますので、現場の医者にはどんどんんノルマが課され、勤務環境は過酷になっていくでしょう。

【給料】医者vs金融マン.どっちが稼ぐ?一見医者の方が高給に思えるが単純ではない

2018年2月2日

開業は難しくなってくる

ああ、面倒な医者生活から抜け出したい!と思って開業しようにも、今やそう簡単ではありません。

勤務医を辞めてクリニックを開業しようにも、すでに都市部の複数の診療科では既に飽和状態なのです。

駅前では○○クリニックが乱立していますから、新たに開業したとしても患者を集められず、うまくクリニックが経営できないとのことです。

今後はクリニックや医院で生計をたてようとすると、少なからず経営努力が必要で運営には難しい部分がでてくるでしょう。

今後は医者の絶対数も伸びてくるわけですから、開業医も将来的には生活してくので精一杯という状況が生まれてくるかもしれません。

【勤務医の視点】信頼できる医院・クリニックの選び方。注目すべきポイント4つ

2018年3月29日

人口知能の登場・発展による医師需要の低下

人口知能の登場によって医者の仕事のある程度の部分は、人口知能にとってかわられるかもしれません。

特に内科系の診断や、X線やCTの読影、病理検査の診断など、知識や判断力が試される分野はどんどんAIに置き換わっていく可能性あがあります。

データを詰め込んだ機械には到底医師は太刀打ちできませんから、一度広がり始めると、一気に仕事を奪い取られてしまう可能性があります。

【医師の視点】人口知能・AIから考える将来性のある診療科・ない診療科。どこが狙い目?

2018年2月10日

まとめ

医者の将来、医療の未来は不確定要素が多く、20年後、30年後の医療がどのようになっているかは予測が非常に難しいですね。

ただしいま手に入る情報だけを考慮すると、医者の職業の未来はあまり明るいものとは言えないかもしれません。

 

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