形成外科分野においては、学生や研修医レベルで強くおすすめできる教科書がないのが実情ではないかと思います。
大学病院や総合病院などの形成外科では、おもに口蓋裂などの先天奇形、褥瘡などの医療関連疾患、または頭頸部領域の再建、熱傷の皮膚移植などがメインではないかと思います。
これらの疾患のどれほどが、国家試験で出題されるかということになると、正直出題のウェイトが低い印象は否めません。
せいぜい出題されるとしても、熱傷の割合計算くらいでしょうか。ですから、形成外科の講義や病棟実習で使うべき教科書というのは、かなり絞られてきます。
ここでは形成外科の辞書的な教科書について、2冊ほどご紹介したいと思います。
★★☆ 標準形成外科学
医学書院より出版されている標準シリーズのひとつ。
皮弁などの項目ではイラストを交えて説明してあり理解しやすくなっています。熱傷の割合計算法や輸液の基本なども説明してあり、学生目線で必要な事が書かれています。
内容量は医学部の試験や国家試験で出題される問題数と比較すると、十分な量といえるでしょう。試験対策というよりは、講義や実習で辞書的に使うのが適当と思われます。
★★☆ TEXT形成外科学
TEXTシリーズの形成外科書。2017年3月に3版が出版されており、比較的新しい医学書と言えるでしょう。
内容は形成外科分野の術式まで掲載されており、医学部レベルで使用するには詳しすぎるでしょう。あくまで辞書的に使用するのが最適といえるでしょうね。
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