放射線画像診断には是非ともAIの導入をお願いしたいと思う勤務医




私も勤務医の端くれとして日々病院で働いております。

CTやMRI検査に関しては、読影するにも専門的な知識や経験が必要ですから、放射線診断医がいますね。

ただ、そろそろ人工知能・Aiを導入しても良いのでは、と思うのです。

CT、MRIの画像診断。見逃しが多い

私は基本的には放射線診断医を信頼している立場であります。

肺のCTを撮像したら思いも寄らぬ腎臓の所見をしてくれることがあったり、これまた見落としていた別部位のがんの転移を指摘してくれることもあります。

日常臨床では、放射線診断医の先生方の恩恵をほとんどの医者享受しているといってもよいでしょう。

一方で、数は少ないですがあきらかな病変の見落としをみけこともあります。

例えば副腎に何の定義の所見があるにも関わらず、そのことが指摘されていない場合があります。

その他、骨転移なども見落とされやすいでしょうか。

患者さんからすると、目の前に座っているのは放射線診断医ではなく、私たち内科系・外科系の医師になりますから、「放射線科の先生が見落としました」と話すことはできません。

患者さんに関わる不利益には、すべて私たちが処理する必要があるのです。

見落としが起きるのは仕方がない

ではこのような見落としが起きるのは放射線科医師の怠慢か、となると必ずしもそうではありません。

今やCT、MRIの検査はほとんどルーチン業務になっており、どこの病院でも検査件数に比べて画像を読影する放射線診断医が不足しているのが実態です。

その先生たちに「画像検査に関して見落としなく拾い上げてください」というのは「採血を100人連続で成功させてください」と話すようなもので、現実的ではありません。

したがって、画像検査の見落としはある程度仕方ないものとして対応しなければなりません。

画像検査報告書の見落とし、も大きな問題な訳ですが、そもそも画像所見が見落とされている事例が星の数ほどあることも問題な訳です。

CT検査報告書の見落としはなぜ起きてしまうのか。本当に医者だけが悪いのか

2018年6月9日

画像検査の見落とし。減らすために

このような画像所見の見落としを減らすためには、いくつか方法が考えられます。

まずは放射線診断医に画像検査をもっともっとしっかりとみるように指導する方法。

ただしこれは個人の努力であって、有効な解決策ではありません。

それに日々忙しく働いている医師に、もっと働けというのは現場の疲弊を進行させるだけで現実的ではありません。

画像検査をオーダーした主治医がしっかりと画像をみる、なんて解決策もあるかもしれませんが、これも結局は個人の問題に帰結してしまいますので、有効ではないでしょう。

そこで、画像診断に関してもっと人工知能を導入すべきではないか、と思うのです。

画像診断への人工知能の導入

今、画像診断とAIの組み合わせは、新しいビジネスチャンスとしてホットな領域となっています。

人工知能(AI)を使った医療画像の診断支援システムは今後のニーズが見込める有望分野だ。調査会社の富士経済(東京・中央)によると、AI搭載型医療画像診断支援システムの市場は2020年ごろから立ち上がり、25年には30億円規模になると予測する。

2018.12.8 日本経済新聞

CT、MRIの画像読影だけでなく、病理画像や内視鏡所見の判断までも、人工知能の力を借りようとする動きがみられます。

これは確かなことで、株式のトレードや入国審査など、人工知能は社会の様々なところで使われつつあります。

医療分野においては、特にデジタルデータを扱う画像診断の分野で普及が期待されています。

もちろん人工知能が間違った判断を犯すことはない、とは到底言えるレベルではありませんが、医師の業務負担を減らす程度の役割は担うことができるでしょう。

早速のところ画像診断の分野での貢献を期待したところです。

人工知能導入による放射線診断医の危機感

もし完全な人工知能が普及してしまうと、その役割を失ってしまう放射線診断医。

実際に放射線領域の学会では、人工知能とどのように対峙していくか、がホットなテーマになっているようです。

確かに人工知能が完全に普及してしまうと、放射線診断医の役割はほとんどなくなってしまうでしょう。

放射線診断医が何年もかけて蓄積する経験を、人工知能は一瞬でインプットすることができてしまいますからね。

ただし、最終的な判断を下すことができるかどうかにおいては、放射線診断医の役割は残るかもしれません。

医療は人の命がかかる分野ですから、人工知能にまかせっきりにする世界は、そうすぐにはやってこないでしょう。

とはいうものの、現在臨床に携わる身分としては、人工知能の取り込みによって、より正確な画像診断を達成してほしいものなのです。

【医師の視点】人口知能・AIから考える将来性のある診療科・ない診療科。どこが狙い目?

2018年2月10日

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