【書評】フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方 (光文社新書)

最近読んだ本で「おお、結構面白いな」と思う本がありましたので、ご紹介しましょう。

光文社から出版されている医療本で、タイトルは「フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方」です。

著者プロフィール

著者は筒井冨美(つついふみ)さんで、出版社のページには下記のようなプロフィールがあります。

1966年生まれ。フリーランス麻酔科医。地方の非医師家庭(医師ではない家庭)に生まれ、某国立大学を卒業。米国留学、医大講師を経て2007年より「特定の職場を持たないフリーランス医師」に転身。

本業の傍ら、メディアでの執筆活動や、『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系『「医師たちの恋愛事情』(フジテレビ系)など医療ドラマの制作協力にも携わる。著書に『フリーランス女医が教える 「名医」と「迷医」の見分け方』(宝島社)がある。

光文社サイト

ということです。

出身大学、所属医局など気になって調べてみたのですが、いくつかのまとめサイトでは経歴など詳細は不明…。

おいおい、そんなレベルじゃまとめサイトたる意味がないと思うのですが、どうなんでしょうね。

詳細は割愛しますが彼女は現在結婚しているらしく、検索でひっかかる論文は(HANDA-TSUTSUI)Fumiの名前で出しているようです。

旧姓半田の名前で秋田大学から症例報告を書いていますので、おそらく最初は秋田大学の麻酔科医局にいたのでしょう。

ただ2001年くらいになるとは今度は埼玉医大から学会発表しているようです。

どこかのタイミングで埼玉医大に異動していますね。埼玉医大からフリーランスになったという流れでしょうか。

ちなみに米国留学とありますが、ボストンからもペーパーを書いていますので、留学先はボストンのようです。

良いですね〜

あくまでネット上の点の情報をつなぎ合わせただけですので、間違っている可能性は大いにあります。あまり信用しないでください。

本の内容

さてタイトルは「医者の稼ぎ方」となっているのですが、どちらかといえば内容は現在の日本の医療、特に医師の働き方からみた現状や問題点について触れられています。

医者の私にとっても、問題点や現状など、ぼんやりと意識されていたことをしっかりと認識させてくれる、そんな本であったと思います。

リアルに基づいた情報

彼女自身地方大学・埼玉医大の医局に在籍し、そして大学のスタッフまで勤め上げていますから、書いてある内容はかなりリアルですし、指摘している問題点も的確です。

大学病院での勤務体制の矛盾、当直代の安さ。

子持ち女医の働き方の問題など、一般的な勤務医の問題意識をうまく文字に表しています。

書きっぷりからするとかなり子持ち女医さんに厳しいので、なかなか強気な女医さんであると推察します。。

序盤にある新臨床研修制度の問題点、課題、メリットなどは内部の人間で実際に現場にいた人間でないととても書ききれない内容かと思います。

麻酔科医は儲かるか?

本書の内容とも被りますが、麻酔科医は本当に収入が良いです。

私の見聞きした話の範囲ですが、待機込み1泊2日出張で40万、土日の手術待機で10万円(手術があれば麻酔管理料の80%加算)、某僻地10日間の連続勤務で200万など。

しかもこれは特別な技能を持つ麻酔科医ではなく、専門医を持った一般的な麻酔科医のサラリーですから、一般的な医者の中ではかなり収入は良い方です。

ああ、麻酔科医になればよかった、と思うのです。

Amazonレビューでは低評価の記載もありますが、方向性の違う批判ですからあまりアテにしない方が無難でしょう。フリーランスが良い・悪い、医者の給料が高い・安いを論じているわけではありません。

今の医者の働き方・給料のリアルを知るには、本書は良書だと思います。

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