【医師の視点】焼き魚や肉の焦げは、発がんのリスクかもしれない。日常生活でも少し気をつけよう

ふと耳にしたのですが、焼き魚や肉をたくさん食べると、がん、特に咽頭癌や食道癌になりやすいなんて聞いたことがありました。

確かに焦げた部分は体にあまり良くなさそうなのですが、ほんとうなのでしょうか。

焼き魚や焦げた肉をたくさん食べることとがんのリスクについて、深く調べてみることにしました。

焼き魚・焼き肉でがんができやすい、という理屈

この理屈の根底には、焼き魚や肉の焦げた部分が、喉や食道の粘膜を痛めつけることによって、発がん性物質となりうる、といった考えがあります。

肉や魚の焦げた部分というのは、確かにとても体に良さそうには見えないですよね。むしろ有害に見えます。

感覚的には、肉や魚の焦げた部分が発がんに関わっていると考えるのは、受け入れやすいかもしれません。

Googleで「焦げ 発がん」で検索してみる

と言うわけで、Googleで「焦げ 発がん」と入力して調べてみました。

調べてみたのは良いのですが、あまり有用な情報源は出てきません。大学や医療機関など信頼のある組織が情報提供しているホームページは無いですし、どこか怪しい情報源しかないのです。

と言うわけで今度は日本語ではなく英語で調べてみました。ある外国の医師が執筆している記事がありました。

ちなみにこの記事はちゃんと英語論文も引用されており、まずまず信用に値する記事かと思います。

When the proteins are heated to the point that the flesh starts to brown and blacken, you have the presence of heterocyclic amines (HCA), some of which are known carcinogens.

The Link Between Grilled Foods and Cancer

書いてある内容を日本語にしてみると「タンパク質が熱せられて色が変わるときに、HCA=ヘテロサイクリックアミンが生成され、それらが発癌物質である

とのことです。

wikipediaのヘテロサイクリックアミンの項目には、やはりがんに関することが記述されていますね。

やはりこのように文章を追っていくと、どうやらタンパク質の変性によるHCAの生成が、発がんに繋がっているようです。

魚や肉のこげとがんは関連がありそう

WikipediaのHCAには発がんについてあまり詳しい記述はありませんでしたので、今度は別の角度から信用できる情報源を探していきましょう。

米国のがん研究で最も権威のあるNCIのホームページを参照してみます。

すると魚や肉の焦げと発がんについては、マウスではあるかもしれないみたいですが、ヒトではあまりわかっていないみたいです。

確かにどんな人間だって生きている限り魚や肉の焦げた部分を食べるでしょうあkら、それと発がんについて詳細に検討するのは土台無理なものです。

しかし、ホームページの中には気になる記述がありました。

Researchers found that high consumption of well-done, fried, or barbecued meats was associated with increased risks of colorectal, pancreatic, and prostate cancer.

ウェルダンみたくよく焼いた肉、あげた肉、またはバーベキューした肉などは、結腸癌、膵臓癌、前立腺癌と関連があるかもしれない、とのことです。

焦げた部分を食べたところで、どうしてよく焼いた肉が膵臓や前立腺がんと関連があるのかはいまいち分からないのですが、とりあえずがんになる可能性が上がるようですね。

さすがに権威あるホームページにこういう書き方をされると、焦げと発がんについて全く関係ないとは言えないでしょうね。。。

焼き魚、焼肉で癌にならないための方法

上述したNCIのホームページには、焼き魚や焼肉でがんになるべくならないようにする方法も紹介されています。

英語ばかりで恐縮なのですが、一部をご紹介していきましょう。

Even though no specific guidelines for HCA/PAH consumption exist, concerned individuals can reduce their exposure by using several cooking methods:

Avoiding direct exposure of meat to an open flame or a hot metal surface and avoiding prolonged cooking times (especially at high temperatures) can help reduce HCA and PAH formation

Using a microwave oven to cook meat prior to exposure to high temperatures can also substantially reduce HCA formation by reducing the time that meat must be in contact with high heat to finish cooking

Continuously turning meat over on a high heat source can substantially reduce HCA formation compared with just leaving the meat on the heat source without flipping it often

Removing charred portions of meat and refraining from using gravy made from meat drippings can also reduce HCA and PAH exposure

長々と英語で書いてありますが、一つずつ簡単を見ていくと、
焦げによるがんを予防する方法
  • 鉄板や直火で肉を焼かない
  • 高温で焼く前に電子レンジで下準備する
  • 高温のソースの上で肉を焼く。頻繁に裏返す
  • 肉の焦げた部分を避ける。肉汁で作られた製品を避ける

というようなことを書いていますね。

焼肉とか焼き鳥なんかは、発がん物質であるヘテロサイクリックアミンが盛りだくさんかもしれないよ、ということのようです。

日本の食文化だとバーベキューも夏に数回やるかどうかといったところでしょうし、肉といってもせいぜい直焼きなのはステーキと焼肉くらいなものでしょうか。

欧米に比べると肉に関してはこういう焦げのリスクは少ないかもしれません。

一方で海に囲まれた日本であるがゆえに、焼き魚にの焦げた部分を食べる機会はいくらでもあるでしょう。

ですから日本に関しては、焼肉よりも焼き魚の焦げた部分により注意が必要かもしれませんね。

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2018年12月16日

まとめ

がんに気をつけながら生活していくことは大切ですが、簡単ではありません。

肉や魚は現代人が生きていく上で必ず口にするものでしょうから、完全に避けるのは難しそうです。

あまり気にしすぎるのも考えものなのです。

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