薬・処方 – おすすめ教科書

研修医になると突然として医師免許が与えられ、患者さんに薬を処方する場面が出てきます。

ここでは、薬や処方に関する基本的な教科書をご紹介しています。

どれも薬理学や生理学からは離れて、実践的な内容が説明してあります。

★★★ 薬がみえる

病気が見えるシリーズの薬剤解説書です。イラストなどを用い、各疾患で使用される薬剤の作用機序などが解説されています。

講義で薬理学を学ぶ際には、ある程度系統的な教科書で学ぶ必要があるかもしれませんが、病院実習や研修医レベルでは本書のように視覚的に理解しやすいテキストを準備したほうが理解が深まるでしょう。

★★★ 頻用薬の使い分け

制酸薬、便秘薬など頻繁に使用するような薬剤に関して、それぞれの薬剤の特徴や副作用などが解説してあります。

症例の項目では、症状に対する実際の処方例なども書かれており、臨床現場で役立つ知識が掲載されています。

外来に置きながらというには、やや内容が細かいので、日々読みながら実戦で使っていくという教科書になるかもしれない。

★★★ 類似薬の使い分け

「頻用薬の使い分け」と同じカテゴリーにある教科書と言えるでしょう。

本書では狭心症、糖尿病、高脂質血症などに対する薬物や、抗菌薬の選択などやや専門的な疾患についての薬剤選択について解説がなされています。

高脂血症に対する薬物、降圧薬、鎮咳薬、睡眠薬など、どの科でも処方するような薬剤に付いても解説がなされているのはうれしいところですね。

★★☆ 研修医のためのステロイドの使い方のコツ

臨床で多用されるステロイド剤について、基礎レベルから解説しているテキストです。

ステロイドパルスの具体的な処方例や、漸減していく際のスケジュールなど、経験的に行っている治療の意味などについて改めて気づかされる部分があります。

他には感染対策をはじめとした副作用対策など、臨床で必要とされる知識がカバーされています。

ただし10年以上改訂されていないのが気がかりです。

★★☆ 医学生の基本薬

病院実習をしていると知らない医薬品に数多く出会うことでしょう。

その原因は一般名称と商品名が異なる事、同じ作用を持つ薬でも製薬会社によって製品名が異なる事によるものだと思われます。

本書はよく使われる基本薬を作用別に分類し、その作用や適応、副作用などを1ページ程度、箇条書きで解説しています。

索引が豊富であり、商品名からでも知りたい医薬品にたどり着けるのが便利でしょう。ポケットサイズの解説書といえます。

★★☆ 当直医実戦くすりマニュアル

ポケットサイズのマニュアル本です。各症状ごとに簡単な解説と実際の処方例が掲載されている。

腹痛、咳嗽などの症候のページではでは参考になる処方も多いが、胸痛に対する処方の例に何の前置きもなくプラビックスと書かれているなど、やや強引な記載がみられるところもあります。

(本来の当直医の仕事はAMIの除外と疑わしい症例を循環器内科にコンサルトすることでしょう)。

本書の後半では各疾患に対する処方、抗菌薬、輸液などについて一般的な範囲で解説がなされており、当直で処方する薬剤はほぼ網羅されているといっても良いでしょう

おもに表中心で文章量は少なくなっているので、当直における処方について実戦向きの教科書と言えるでしょう。

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