野球やサッカーで試合に出れない高校生たちを見ていて。医者の世界でも同様の事例はある

高校野球や高校サッカー。

テレビの画面に映る学生たちはすごくたくましく、かっこよく見えます。

しかしその背景には活躍できない学生たちが数多くいることを忘れてはいけません。

同様の構図は医者の世界にもあるんです。

試合に出られないのにクラブ活動をする意味があるのか?

高校野球の甲子園出場校は、非常にかっこよく見えます。

フィールドでプレーしている9人の選手たちは、すごく気持ちいいでしょうし、周りから見ても非常にかっこよく見えます。

一方でこのような強豪校においては部員の数も恐ろしいほど多く、高校によっては100人も部員がいるにも関わらず、試合に出れるのはせいぜい十数人なんてこともあるようです。

つまり残りの90人は、試合に全く出ることなく高校3年間を終えてしまうわけです。

うーん、これってどうなんでしょうね。

私自身はかなり合理的な性格なので、レギュラーになれないスポーツで一生懸命頑張ることの意味をあまり見出せません。

個人の価値観なので深入りするつもりはありませんが、自分や自分の子供が一生懸命練習したスポーツで結局のところ試合に出れないとなったら、あまり良い思い出ではないんじゃないかと思うのです。

少なくとも試合に出て、試合に勝つために日々練習しているとするならば、その努力は意味を成さなかったと感じてしまいます。

もちろん人間関係の醸成、身体・精神の訓練に意味を見出すなら大いに有意義なものなのかもしれませんが…

実は高校野球と同じような構図は車医者の世界にもあります。

大学病院の若手医師たちも活躍の機会が与えられない

1番顕著なのは、大学病院における外科系の診療科でしょうか。

大学病院は患者の数が多いのはもちろんのことですが、それ以上に医者の数が多くいます。

外科医の仕事はなんといっても手術をすることなわけですが、医者の数があまりにも多すぎていつまでたっても若手の医者に手術の症例が回ってこないんです。

医者10年目くらいの先生が、責任をもって手術をさせてもらえないなんてことはゴマンとあります。

大学病院で手術の勉強を一生懸命していたとしても、若手医師には症例を執刀すする機会すら与えられないということが容易に起こるのです

医療においては活躍できない人間を抱える余裕はない

もちろんスポーツと同様に、上手な人が活躍することが必要なわけですが、問題なのは医療の世界では活躍できない人材を多く抱えておく余裕がないことです。

とりあえず毎年あたらしい医師が外科の医局に入局するけれども、最終的にまともに手術ができるのはそのうちの20%、なんてことになれば医師不足はいつまでたっても解消しないでしょう。

どんな医師であっても、若手医師であっても自分の能力に合わせてちゃんと活躍の機会が与えられる、そんな環境の整備が必要なのです。

もちろん医者は大学病院だけでずっと働き続けるわけではありませんし、まともに医師として働いていれば、歳を取るごとに活躍できるフィールドは徐々に広がります。

ただし日本では外科系診療科における若手医師の教育は弱点とされており、医師を効率よく運用するという点では、現在の大学病院のシステムはあまり好ましくないでしょう

医師全員が活躍できるフィールドを生み出すために

大学病院において医師全員が活躍できる環境を整えるためには、若手医師がどんどん手術に加われるように環境を整えることが必要でしょう。

医師5-6年目の若手医師であっても積極的に手術を執刀し、ベテラン医師はその若手医師をサポートできるような役回りに徹することが必要です。

医師でなくてもできる雑用は可能な限り医師以外の職種が行い、若手医師たちが手術だけに集中できるような環境の構築です。

やはり練習するからには活躍したい

高校野球も医者も同じですが、日々鍛錬しているがゆえ、どこかの時点では自分の能力を発揮できるように活躍したいものです。

練習だけしてその力を本番で見せることができないのであれば、何のために練習しているの?との状況になりかねません。

早く医者の世界も(高校野球の世界も)みんなが活躍できるようになることを願います。

 

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