病院の中では患者さんの治療方針を決める立場にある医師。
そんな医師であっても、なんと医者から怒鳴られることがあるんです。
そんな実体験についてご紹介しましょう
「そんなこと自分で調べろ!」
これは若かりし、まだ研修医だった時のおはなしです。
指導医と一緒に患者さんを担当する中で、ふとした疑問を病棟でぶつけてみました。
そうすると、
「そんな簡単なこと、自分で調べろよ!!!」
と、病棟に大きく響き渡る大声でお叱りを受けてしまいました。
医学的に妥当な質問だったわけですが、指導医の虫のいどころが悪かったのでしょうか。
罵倒されてしまいました。
研修医がちゃんとした質問をしているのだから、適当にあしらうのはまだいいとしても、怒鳴らないで欲しいものです。
それ以来この指導医には全面的な信頼を失い、ほとんど話さなくなりましたね。
この事件を反面教師として、私はどんな時でも冷静にいるよう勤めています。
「先生の努力が足りない!」
これは院内のある患者さんが紹介されてきた時のことです。
治療適応についてお伺いがあったのですが、腎機能などが悪く、ちょっとうちでの治療は難しいなと思っておりました。
したがって「治療は難しいと思います」と電子カルテに記載して治療をお断りしたところ、依頼科の20代の先生が大激怒。
「どうして治療できないんだ!」
「私たちだって真剣に治療しているんだぞ!努力が足りない」
などと電話口でお叱りを受けてしまいました。
いやいや先生、こんな腎臓の機能で治療したら透析になっちゃいますよ、と言っても聞く耳を持ってくれません。
こっちが無理をしたって人間の臓器の機能が戻ってくるわけではないですし‥
しかも私の方が一応先輩なのに‥
結局は診療科の部長同士で話し合ってもらい、事なきを得ました。
無理難題を押し付けられるのは、もうごめんですね‥
「こんな時に電話かけてくるな!」
これは当直中に、外科の先生に電話した時のはなしです。
19時ごろだったのですが、当直帯ということで腹痛のある患者を診察したのです。
結構痛がっており、レントゲンを撮像してみると腸閉塞・イレウスでした。
患者さんは外科手術後であり外科にかかりつけでしたので、当番の外科の先生に電話してみたのです。
19時くらいですから当然のように外科の先生は院内にいたのですが、電話してみたところ大声で
「そんなことで電話かけてくるな!」
と言われてしまいました。
こっちとしてはレントゲンも撮像して診断までつけてあげているにも関わらず、怒鳴られるなんて心外です。
だいいちに、外科にかかりつけの患者が入院を必要としているのだから、こちらで対応できるわけでもありません。
仕方なく他の外科の先生にお電話し、対応してもらいました。
どうして医者が医者に怒鳴られるのか?
病院で働いている医者の90%近くは普通の医者です。
些細なことで激昂することなどはなく、患者対応も問題ありません。
しかし残りの10%の中には、もうどうしようもない医者が隠れているのです。
彼ら・彼女たちは生まれながらにしてそうなのか、医者としておだてられるうちにそうなったのかわかりませんが、とにかく自己中心的なのです。
他人の意見に耳を傾けず、気に入らないことがあれば常にその不満を感情に表出します。
相手が医者であろうがコメディカルであろうが、患者であろうが怒鳴りつけます。
周囲の人間は良い迷惑なのですが、周囲ができた人間であるがゆえ、直接的に衝突することはあまりありません。
そんな彼ら・彼女たちの性格が矯正されていくこともないのです。
まとめ
このように同業者である医者に怒鳴られてしまうと、こちらとしてはすごく萎縮してしまうのです。
また怒鳴られるのではないか、と思って同じ先生には気軽に話しかけづらくなります。
中には「愛の鞭だよ」といって、怒鳴ることや激昂することを正当化する先生もおられますが、これは詭弁でしょう。
勉強のできる成人同士なのですから、強がらないで言葉で伝えて欲しいものです。
スポーツの世界でパワーハラスメントが間違った形で肯定されているのと全く変わりません。
コメントを残す