医学部を選択するにあたって気になるのは、どこの医学部に進学すべきか気になるところでしょう。
ここでは医師の出身大学と、勤務地の関係について考えてみたいと思います。
コンテンツ
まずは目標とする医学部を決定することが大切
医学部受験をするにあたっては、まずは目標となる志望校を決めることが大切です。
日本にある医学部を大きく2つに分けると、国公立大学と私立大学に分類されるかと思います。
国公立大学医学部の特徴
国公立大学は一般的に私立大学よりも学費は安いとされ、47都道府県のほぼ全てに位置しています(埼玉、栃木など例外はあります)
したがって日本全国どこに住んでいる学生であっても、身近な存在医学部と言えそうです。
一方で国公立大学は、私立大学医学部よりも入学難易度が高く、地方の国公立大学であっても、東京大学と同じ位の学力が必要とされる事は珍しくありません。
身近でありながら難しい、それが国公立大学医学部といえるでしょうか。
私立大学医学部の特徴
私立大学医学部は主に首都圏や関西エリアなどの都市部に位置しています。
私立大学の特徴は、なんといっても学費が高額であることです。
1番安い慶応大学や順天堂大学であったとしても、6年間の学費はトータル2000万円程度しますし、それ以外の大学ともなれば学費はもっともっとかかります。
地方から出てきて一人暮らしとなると学費に加えて生活費も馬鹿になりませんから、経済的にかなり余裕のある家庭のみの特権的な選択肢といえます。
少し前までは私立大学は学費が高い反面、国公立大学に比べて入試の難易度が低い、なんて言われていました。
しかし私立大学医学部に入りやすかったのはいまは昔の話で、今の時代は全国どこの医学部も非常に難しくなっています。
所属医局と勤務地は密接に関係している
大学病院の医局に入る場合には、その地域の大学病院こそが周囲関連病院の人事権を握っている事実をよく理解しておく必要があります。
例えば最高学府である東京大学医学部の医局に入ったからといって、北海道や四国の大規模病院の第一線で勤務するのは事実上不可能でしょう。
というのも北海道や四国にある大きな病院の人事権は、それぞれ北海道にある大学や四国にある大学の医局が握っているからなのです。
このように、各地域の病院で働くためにはその地域の大学病院の医局に所属する必要があるのです。
医局の人事権が及ばない病院もある
各地方の病院の人事権は、大学病院の医局が持っていると書きましたが、これは必ずしも正しくありません。
一般的に医局の人事権が及んでいるのは、急性期の医療を行っている各地域の大きな病院に限られます。
〇〇市立病院とか○○医療センターなんかは、ほとんどの場合でどこかしらの医局から医師が派遣されていることでしょう。
したがってこれらの病院は医局の関連病院となります。
一方で大学病院と並ぶような非常に規模の大きい病院であったとしても、医局との関連が緩やかな病院も確かに存在しています。
例えば千葉県の南のほうにある某ブランド病院や、東京都心部にあるいくつかの病院は、大規模な病院でありながら歴史的にはっきりとした医局支配は無いものと想像されます。
つまりはいろんな大学出身の医師たちが、勤務しているということになります。
このような病院は自然と医師が集まってくる病院でなければ経営が成り立ちませんから、基本的には有名な病院で症例が豊富な病院となります。
また医局が関連病院として持つほどではない中小病院の場合にも、医局の人事権から外れている場合が多いと言えるでしょう。
例えば個人名のついた病院なんかでは、医師は病院そのものと雇用契約を結び、何十年もそこで働いている医師も珍しくありません。
進学する医学部と将来的に入る医局の関連は薄い
一方で入学した大学と卒業後に所属する大学の医局にはあまり関連がありません。
つまり京都大学を卒業したとしても東京大学の医局入ることは十分可能ですし、その逆も多くの場合は障壁にならないでしょう。
もちろん母校の医局の雰囲気がわからない、というのは若干のデメリットではありますが、雰囲気などは教授の方針ひとつで大きく変わるものです。
したがって医学部受験における志望校を選択する際には、単純に自らの行きたい大学を選ぶべきであるといえます。
今の時代は一部の大学病院を除いては、他大学出身者であっても大学病院では働いてくれるのはウェルカムですし、どこの大学を卒業したかどうかが問題なることは少ないでしょう。
特に将来的に働く場所の制限がない限りは、自分の能力の中でもっともレベルの高いと思われる医学部を目指すべきです。
レベルの高い医学部を目指すメリット
医師の将来なんてはわからないものです、
立派な医者になるんだと思って医学部に入学したとしても、基礎研究の面白さに目覚め基礎研究を志す場合もあるでしょう。
また一般の医師として活躍を考えていたにも関わらず、論文をたくさん書いて世界の第一線で頑張りと思うようになるかもしれません。
このように実際に医学部に入ってみると、考えが大きく変わることは珍しくありません。
このように考えてみると、医師としての可能性の幅が大きい、歴史と伝統のある大学医学部に入学しておくことが将来的にプラスになるのではないでしょうか。
重要なのは医学部卒業後にどこの医局に所属するかである
ゆえに重要なのは、どこの医局に所属するべきかどうかになります。
例えば山口大学や山形大学は、それぞれの大学が都道府県の関連病院をほとんど有しています。
したがって家庭事情などでこれらの都道府県で勤務を開始する必要がある場合には、まずはこれらの大学の医局に所属する必要があるでしょう。
特に専門医の取得や更新でそれなりの規模の病院に所属する必要がある場合はなおさらでしょうか。
首都圏や関西圏の場合
大学数の多い首都圏や関西圏では、選択肢が多い分だけやや状況が異なります。
すべての大学は均等に関連病院を有しているわけではなく、関連する病院をたくさん有している大学もあれば、そうでない病院もあります。
例えば京都大学と兵庫医科大学であれば、病院の選択肢や将来のキャリアプランにも大きな可能性の差があると言っても過言ではありません。
したがって東京や大阪で働くにあたって広く選択肢を持つ上では、できるだけその地域の有力大学に所属したほうが有利と言えるでしょう。
働き始めて途中で医局を変更するのは少し難しい
こちらの記事にも書いていますが、一旦入ってしまった医局を変更するのは少しばかり難しい面があります。
3年目は4年目の若いころであれば、医局を移動するのはあまり支障になりませんが、医師としての年数を重ねることに難しい面も出てきます。
したがって将来的にお世話になる医局を決めるにあたっては、早ければ早い方が良いと言えるでしょう。
まとめ
以上、医局と勤務地の関係についてご紹介してきました。
どこの大学医学部に入るか、よりはどこの医局に入局するかの方がはるかに重要であると言えるでしょう。
コメントを残す