きしむ救急医療。常勤内科医9人が1人に。入院病床、閉鎖。上野市民病院

三重県の地域病院で医師不足が進み、2次救急を実施できなくなってきているという記事です。

◆常勤内科医 9人が1人に 入院病床、閉鎖 上野市民病院◆

「二次救急を実施できない日が生じてまいりました」
7月下旬に各戸に配られた「伊賀地域救急輪番制当番表」。8月2、30日の欄が、初めて空白になった。
伊賀、名張両市では2008年度から、名張市立病院、上野総合市民病院、岡波総合病院が休日と夜間の二次救急の輪番制を始めた。

しかし、上野総合市民病院で、05年度に9人いた常勤の内科医が、三重大学からの医師派遣が減って8月から1人になり、輪番を埋められなくなった。

2日夕から3日朝の救急患者4人は、地域外に搬送して問題はなかったが、伊賀市では3月、70代女性が県内外の7病院に受け入れを断られ、死亡する事案が発生している。

朝日新聞 2010.10.4

医師充足が必要

まずは三重県全体として医師を充足させる必要がありますね。

必要とされる医師が現状の1.16倍の人数とあり、また現状では三重県の病院での勤務を義務付ける国レベルでの法律、規制がないことから、医師数を増やすには三重県全体での待遇を改善するしかありません。

金銭的なインセンティブでは不十分

金銭的インセンティブで医師を呼び込み、大学病院の関連病院に小医局制度を作ろうという構想もあるようですが、小医局制度を実行するにも、十分な休暇や休日が保証されたような相当な待遇の改善が必要でしょう。

医療崩壊の原因が医局崩壊であるとするならば、小医局は大学病院の医局以上に魅力的で、しかもある程度の実行力を持つ必要があります。

大学病院の医局が持っていた魅力的な側面である留学、学位などがない小医局が、果たして機能できるのか、ハードルは高いでしょう。

結局のところ、待遇を改善させて医師を呼び込むとか、医局制度を違う形態で復活させるなどの案は現実的ではないでしょう。

患者の意識を変革することも必要かもしれない

医療崩壊を解決するにあたって、医療を提供する側を変えるのが難しいのであれば、医療を享受する側を変えるしかありません。

三重県だけでも医療のフリーアクセスを制限し、複数の自治体でひとつの総合病院を運営するようにするしか現実的な解決策はないでしょう。

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