医療系のニュースは、医学部の面接でもよく問われるテーマですね。。
安楽死、尊厳死、臓器移植、チーム医療、再生医療、患者対応、この辺りがよく問われるようなトピックでしょうか。
これらの医療系テーマにどのように回答すれば良いか、医師目線で考えてみたいと思います。
ある大学の教官の一意見
面接は個人の主観的な評価になりますから、評価することに関しては不透明な部分が非常に大きなウェイトを占めています。
受験生としては、面接に関してやきもきしてしまうのは仕方ありません。
そこで、国公立大学医学部で実際に受験生の面接を担当している方にお話を聞いたことがあります。
実際にその教官の先生にお話を聞いてみたところ、家族構成や年齢、容姿、性別などで下駄を履かせたりすることはないと言うことでした。
医学部の教官としては、やはり総合的に優秀な人材が欲しいとのことでした。可能な限り公平な視点で評価を行う、ということのようです。
ただし、この教官が本音を話しているかどうかはわかりませんし、着実に実行されているかどうかもわかりません。
それでも面接が有る限り、受験生は準備し続けなければならないのです。
面接当たり障りのない回答をすることが大切
医学部に限らず医療系の学部大学における面接で、医療に関するトピックが問われるのはよくありますね。で
は、どのように答えるのが正解なのでしょうか。
1つまず間違いないのは、当たり障りのない回答することです。
面接試験となると印象を残そうとして、奇抜な回答が求められている感じてしまうのですが、実際はそうではありません。
企業に入って何か製品やサービスを開発するとか、研究者として何か創造的なことに従事するのであれば、奇抜な発想や回答も必要になってくるかと思います。
しかし医学部や看護学部の面接で問われているのは、当たり障りのない人間であることをアピールするための場であります。
例えば面接試験でよく問われる、安楽死や尊厳死テーマについて、まず正解はありません。
専門家たちが何人も集まって何時間も議論したとしても、いまだに結論が出ていないのですから、その問題の難しさは推して計るべきです。
ですからこれから医学を学ぼうとしている人間が、客観的に見て正しい意見というのを言えるはずがありません。
むしろこれらの問題に関する正解はない、と考えた方が妥当でしょう。
医療現場ではトラブルを起こさない人間が求められている
では実際の臨床現場ではどのような医療支援が求められているのでしょうか。
それはまさしく、患者や同僚と仲良くチーム医療を遂行できるような、トラブルを起こさない人間です。
つまり当たり障りのない人間と言うのが、病院の中では求められているのです。
病院の中で勤務していて、同僚が安楽死に賛成だからと言って、末期ガンの患者さんをどんどんと積極的に死に追いやっていては、これは大問題になってしまいます。
ですから慎重で一般的な考えを持った、当たり障りのない医療人が求められているわけです。
元通りの健康な生活を遅れる可能性がほとんどない患者さんが苦しんでいるのを見るのが辛いからとか、医療経済上の問題から安楽死を進めるべきである。
そのように内心では思っていても、面接では安楽死に関してあまり積極的な発言はしない方が無難でしょうね。
あまりにも積極的に安楽死を擁護しすぎると、トラブルメーカーとして見られてしまう危険があります。
臓器移植を例に
臓器移植についても、安楽死と同様のスタンスの方が良いでしょう。
どんどん海外での移植を推進すべきとか、子供の臓器移植ができるように基準を緩めるべきといった、臓器移植を肯定・推進する側の意見は発言の仕方によっては危険な考えと捉えられてしまう可能性があります。
日本における医療の考え方は良くも悪くも保守的ですから「どんどん臓器を移植すべき」といった考えは、悪い方向にとられてしまう可能性があるのです。
まとめ
医学部や看護学部などの医療系学部における面接試験は、自分の個性を披露する場所ではありません。
周囲と摩擦を起こさない人間か、トラブルを起こさない人間か、コミュニケーションを円滑に取れる人間であるかをみています。
突飛な意見の発言は避けて、当たり障りのない発言をする方が良いでしょう。
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