患者さんが死亡した場合には、死亡診断書を書くことになりますね。
最初の頃は責任感あるなぁ〜と思って書いていた診断書なのですが、数を重ねてきて夜中2時に書くような場合には、完全な事務作業です。
眠いですから、もはや感傷に浸っている暇なんてないんです。
さて診断書の書き方は、医学部時代に勉強した知識を呼び戻しながら、のらりくらりと書いていくことになるんです。
これがまた色々と迷うことがあるんです。
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死亡診断書を書くのは患者さんが亡くなった時
最近では自分の病棟で患者さんがお亡くなりになる事は滅多にないので、死亡診断書を書くのは病院で当直しているときか、アルバイト先の療養型病院で患者さんが死亡した場合になるでしょうか。
ただし急性期病棟でバンバン患者さんが亡くなったり、療養型の病院でお看取りがメインの病院に勤務している医師の場合は、患者さんを看取ることも多いかと思います。
私も最大一晩で3枚の死亡診断書を記載したことがありますね。
医者の中には、週に2回とかそんなハイペースで死亡診断書を書いている先生もいるのかもしれません。
在宅医療でお看取りしている先生であれば、もっともっと書いている先生もいるかもしれないですね。
とにかく、死亡診断書は患者さんが死亡した場合に記載します。
死亡診断書の書き方に迷う
この死亡診断書なのですが、書き方に結構迷ってしまうことがあります。
死亡診断書の場合には、死亡した原因が自殺かどうかとか、他者による介入がないかどうかなどを書く部分があります。
病院での死亡であれば、ほぼ100%が病死なわけですが(病死以外の原因があったらそれはそれで問題です)、例えば救急などで搬送されてきた患者さんの場合には、記載すべき内容に迷うことがあるかもしれません。
また病院の中でなくなった場合であっても、死因を記載するところで迷うことがあります。
厚生労働省のサイトには、死亡診断書の記載マニュアルがあるようなんですが、マニュアルの存在自体を誰かが教えてくれるわけではありません。
私もこの記事を書くにあたって調べていて始めてこのマニュアルの存在を知ったので、マニュアルがあることを知らない先生方も多いのではないかと思います。
死因の書き方は難しい
死亡診断書の書類にも記載してあるのですが、死因の部分には、呼吸不全とか心不全等は欠かないように、ということが書いてあります。
先に述べたマニュアルには、以下の記載があります。
◆Ⅰ欄、Ⅱ欄ともに疾患 の終末期の状態としての 心不全、呼吸不全等は書 かないでください
◆Ⅰ欄では、最も死亡に 影響を与えた傷病名を医 学的因果関係の順番で書 いてください
◆Ⅰ欄の傷病名の記載は 各欄一つにしてください
人が亡くなる時とは、最後のほうになると呼吸がどんどん浅くなって、心臓の動きどんどん遅くなって、体の呼吸循環機能が維持できずに亡くなっていくことになります。
いって見れば人の最後の死因と言うのは、呼吸不全であり循環不全であるということも言えるわけです。
だからこそ、はっきりとした死因を明らかにするために、呼吸不全や心不全を書かないように、というお達しなのでしょうか。
したがって、医師が死亡診断書に記載する時の病名としては、胃がんや大腸がんといった記載になるでしょうか。
私も死亡診断書を書く場合には、特別な事情がない限りはカルテを参照して一番初めに出てくる病名なんかを記載するようにしています。
だいたい◯◯癌とか、脳梗塞とか、肺炎みたいな死因になります。まさに日本人の多い死因と同じ傾向ですね。
死亡診断書の記載に対するフィードバックがない
ちなみに死亡診断書については、私もこれまで何百通と書いてきましたが、一度もその記載についてその評価を受けたことがありません。
つまり今までと同様のやり方で良いのか、それとも少し直したほうがいいのかフィードバックがないのです。
かといって厚生労働省から、いちいち死亡診断書の問い合わせを電話でもらったとしても、お互い面倒であるだけなのですが、、、、
自分の書いたものに対してその評価がないわけですから、医者になって何年も経って、しかも死亡診断書を何十通を書いていても、「これでいいのかな??」と思ってしまうわけです。
死亡診断書は書いてもお金がもらえない
一般病院であれば、治療や入院の診断書などを記載したりすると、2,000円とか3,000円位は給料に上乗せれることがあります。
しかし死亡診断書の場合は、記載しても全く我々医師のインセンティブにはなりません。
お金を稼ぎたいとか、欲しいとかいう訳ではないんですが、夜中に起きて働いて、書類も書いてそのリターンがないというのはモチベーションが下がります。
やっぱり仕事に対する対価は欲しいもんです。
これがなかなかつらいところですね。書類仕事はつらいもんです・・。
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