医師として経験を十分に積むと、診療科によって医局を辞めていく先生もいらっしゃいます。
辞めていく先生方には、いくつかのパターンがありますので、ここでは4つのパターンをご紹介したいと思います。
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医師が医局をやめていくパターンとは
クリニックを開業するために医局を辞める
当直や当番など一般病院で働くのは疲れたとか、親のクリニックを継ぎたいとか、金銭的に自由になりたいなど、開業する理由も様々です。
クリニックを開業するからといって、医局と縁が切れるわけではありませんが、医局の人事から外れることにはなります。
つまり年度が替わるごとに、不本意な地方病院への派遣などから解放されるわけです。これは大きなメリットでしょう。
ですから開業するというのは厳密には医局を辞めるといっても間違いではないでしょう。
ただし医局の節目のイベントや、新しい教授の就任式などには招待されることがあるかもしれません。
医局の関連ではない病院に移るために医局を辞める
医局の人事を外れて、他の病院に勤務したりするようになる場合も医局を辞めることになります。
基本的に医局が派遣している病院は、地域の総合病院だったり規模の大きい急性期の病院だったりなど、病状が重く、治療を急ぐ患者がいる病院です。
そのような病院では当番や当直の回数が多かったり、外来の患者が多かったりと、自分の時間を持つのは難しいこともあります。
したがってある程度経験を積んだ医者の中には、医局を辞めて、比較的ゆったり勤務できる療養型の病院に勤務する先生もいます。
地域にある小規模な療養型の病院は、医局の関連の病院ではないことが多いですから、転職サイトや知り合いの医師のコネクションをたどって勤務することになります。
家族の事情で辞める場合も
ある先生は地域の中核病院で勤務されていたのですが、体調の悪い奥様のケアをするために一線を退きたいと申し出て、医局を辞めていきました。
これはもう医局を辞めていくことになるわけですね。
このようなどうしようもない事情であれば医局側も説得するのが難しいですから、すんなりと医局を辞めていくことが受け入れられる傾向にあるでしょうか。
地元に戻るために医局を辞める
このほか、自分の出身地に戻るような場合も、医局を辞めることになります。
長年のあいだ首都圏の関連病院で働いてきた医師が、地元の関西圏に戻る場合も医局を辞めることになります。
医師の中には、地元で親の世話をする必要があったり、親の開業しているクリニックを継ぐ必要があったりして、転居していく医師がいます。
また家庭がある場合には、妻の仕事や家の関係で転居をする必要が出てくる場合もあるでしょう。
居住地を大きく移す必要があるのは、だいたいご家庭のある30後半〜40代の先生であることが多いですから、キャリアに一区切りつけるにもちょうど良い時期です。
医局と喧嘩別れして辞める
医局に不満がある場合には、仕方なく喧嘩別れしてしまうこともあります。
大学病院の組織は非常に多いですから、それだけ不満を持つ先生も出てきます。
仮に不満を訴えたとしても、小規模な組織であれば意見を吸い上げてくれることもあるかもしれませんが、なにぶん他の人材もたくさんいるため、黙殺されることが多いですね。
給料が低いとか、今勤務している病院に不満がると医局に訴えても、意見を聞いてもらえないばかりか
「じゃあ辞めれば」
なんて言われてしまうことも珍しくありません。
流石に近年はどこの医局も人材不足ですから、ある程度は医局員の意見を聞いてくれるようですが…
ゆえに医局に不満がある人間には現状を変えるという選択肢はなく、医局を辞めるという選択肢しか残されていないのが正直なところです。
新臨床研修制度がはじまって、全国的に医局の力は総体的に大幅に弱まりました。
中小病院であれば、もはや医局の力が及ばない現状になっています。
もはや医局にしがみつく時代ではないのかもしれません。
どのやめ方が最適か?
本当の理由はそばに置いといて、可能な限り軋轢を生まないような辞め方が非常に大切です。
その観点からすると、家庭の事情を前面に出すのが一番適切かもしれませんね。
家庭の事情に関して突っ込んで話ができる上司や医局の人間はいないでしょうからね。
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