医者の引き際は難しい。仕事をしない医師から症例を渡さない医師まで

医者の引き際、仕事のやめ時って本当に難しいですね。

研修医時代にさっと辞めちゃう若い先生もいれば、70歳を超えても一向に権力の座からおりない医師もいます。

医者の引き際について考えてみましょう

なかなか辞めない医師たち

ここでは、引き際を見失ってしまった二人の医師についてご紹介しましょう。

働かない部長医師

どこの病院でも働きの鈍った医者はいるものです。

ある病院の50代後半の男性医師は、雑用や主要な仕事は部下に任せっきりで、自らは悠々自適な生活を送っていました。

病棟管理をするわけではなく、当直もしない。そして面倒な患者は全て部下に押し付ける、そんな具合です。

学会出張や有給の取得も好き放題、自分が法律だと言わんばかりの行動です。

後輩医師や看護師からの評判は芳しくなく、影ではコソコソ悪口を言われているような状況でした。

聞くところによるとこの部長医師も、若い頃は第一線でバリバリ働いていたそうで、周囲からの評価も高かったようです。

そんな医師がキャリアの終盤には周囲から蔑まれる存在になってしまうなんて、悲しいものです。

働く気がないのであれば、転職するかさっさと辞めてしまうことが肝要です。

引き際を知らない院長

ある70代の男性医師は、地域でも有数の病院の創立者でした。

彼は若い頃に病院を設立し、地域医療に尽力しながら有数規模の病院にまで発展させてきました。

70歳になっても現役で第一線の診療に携わっており、他の医師と同じように働いてたようです。

一方では病院の中における彼の地位は絶対的なもので、しばしば目に余る行動があったようです。

気に入らないことがあれば医者、看護師などの職員を辞めさせる、自分の一存で重要な病院の決定事項を変えてしまうなど、一般企業ではとても起こりえないことがあったのです。

周囲の人間としては、早く辞めて欲しいところなわけですが、誰も進言できる人がいなかったようです。

外科医の引き際

外科医の場合も引き際が難しいかもしれませんね。

病院によっては外科医の間で症例の取り合いになる場合が往々にしてあります。

十分に経験の積んだ医師が手術を行うことはもちろん必要ですが、一方で後進を育てる観点から考えると、若手の先生に症例を譲ることも大切です。

経験豊富な医師が指導的な立場となり、若手医師にアドバイスするというのが、理想的な関係です。

しかし自我の強い外科医の中には、自らの症例を絶対に他者には譲らず、どんどん自分で手術を行ってしまう困った医師もいるのです。

ある病院の外科医の先生は、年齢が60歳近いにも関わらず、簡単な手術であっても難しい手術であっても、すべて自分が執刀医として手術場にいたようです。

本来であればこれくらいの年齢であれば、症例を考えながら助手に回り、若手医師の指導に徹することが理想的なのですが、そうもいかないようです。

当然ながら症例を独占してしまう外科医は、若手医師からの評判はよくありません。

医局員の引き際

大学病院に勤務する真面目な医師にとっても、医局のやめ時は難しいものです。

正当な理由がない限り、医局をやめるのは今でも逃げ出す、喧嘩別れするなど負のイメージがありますから、一歩を踏み出すタイミングには慎重になる必要があります。

一方で医局組織に所属し続ける限りは、転勤や激務、教授からの無理難題に対応しなければならないなど、決して労働条件はよくありません。

このようなメリット・デメリットを天秤にかけながら、上手に立ち回る必要があるのです。

この点でも医局をやめるという引き際に関しては、実にいろいろなことを考慮する必要があります。

【医師の考え】医局辞めても生きていける、、かも

2018年1月12日

医者の引き際は難しい

このように、医者の引き際は簡単ではないことが多いものです。

部下が仕事をやってくれるようになると、自らは動かずに給料泥棒になってしまう医師がいます。

人の多い大学病院では、大学病院の仕事を適当にこなしておきながらかといって研究するでもなく、外病院でのアルバイトは非常に熱心な医師がいるものです。

本来は仕事ができなくなった、やらなくなった場合には自らのポジションを空け渡して欲しいのですが、本人はそのことに気づいていないのか、同じ地位に居座り続ける場合もあるのです。

仕事をしないのは考えものですが、かといって仕事をしすぎる、周囲のことを考えないのも問題です。

中小病院の院長のなかには、あまりにも権力が集中しすぎてやりたい放題、なんて医者もいます。

また上にも書いた通り、外科医の中には症例を渡さない「いつまでも心は若い」医師もいます。

ベテランの医師にとっては、仕事をやりすぎてもいけないし、全くやらないのもいけないという、難しい立ち位置を迫られる部分があるのです。

【医師の考え】医局辞めても生きていける、、かも

2018年1月12日

引退した医師たちの就職先

第一線から退いてもたくさんの仕事がある、それが医者の職業でしょう。

街中でやっている検診業務などは体力を必要とせず、医師として基本的な知識があれさえすれば務まりますから、お勤めを終えた高齢の先生にも可能です。

このほかよくある就職先としては、老人保健施設の医師、などでしょうか。

こちらも一般的な医学的知識があれば十分に務まりますし、何よりみなさん状態は安定していますから仕事内容も楽です。

今の地位や仕事に固執することなく、引き際を悟ったら素早く移動する、そんな行動力が求められていると思うのです。

 

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