病院の当直業務といっても、その働き方には2種類のパターンがあります。
一つはある病院に常勤医として勤務しながら、その病院で夜間休日の当直を行う場合です。
そしてもう一つは、大学病院などに勤務している際に、給料の補填をする目的でアルバイトの病院当直を行う場合です。
やっていることはほとんど同じにも関わらず、アルバイトの方がたくさんお給料を稼げるのです。
いったいどうしてなのでしょう?
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病院の常勤医が当直を行う場合
これは大学病院や、大きな総合病院では当たり前の事ですね。
常勤として働いている先生が、9時から5時までの通常勤務を終えて、その後に夜間の当直を続けて行うことになります。
夜間当直の忙しさは病院によっても様々です。
普段かかりつけの患者だけに対応する病院もあれば、地域の患者全体を受け入れているような忙しい病院もあります。
後者の場合は、ほとんど忙しくて眠れない夜もあります。
アルバイトの当直医を雇う場合
一方で小規模な病院の場合には、常勤の医師の数が少なくなっていることが多いです。
例えば常勤の医師が8人ぐらいしかいない病院があったとします。
この8人全員が当直業務を行えれば良いですが、実際のところは院長や副院長といった医師は60歳前後ということも多々あります。
ですから常勤の医師であっても、上層部は当直をするだけの気力も体力もないことがよくあります。
したがって実際に労働力として当直を行える当直医は、3人とか4人とかになってしまいます。
このようになってしまうと、常勤医だけで当直を振り分けたときに一人当たりの1ヶ月の当直回数が10回とか、少々無理な割り当てになってしまうことがあります。
ゆえにこのような場合には、当直業務だけをアルバイトの医師に任せるということが行われます。
アルバイトの当直医師は、大学病院から派遣されてくることが多い
このようなアルバイト当直医師は、大学病院のどこかの医局から派遣されてくることになります。
大学病院の若手の先生は、大学病院での勤務を終えた後、そのまま当直病院に移動します。
そして一晩を過ごし、翌朝大学病院に戻って行く勤務を行うことになります。
移動のことも考えると、大学病院の若手の先生にとっては結構辛い勤務になるのですが、大学病院の低い給料を補填するために致し方ない面もあります。
大学病院の医師を雇う場合の他にも、何処の馬の骨ともわからないフリーランスの医師に働いてもらう場合もあれば、人材派遣会社を通じてリクルートしてくる場合もあります。
アルバイト当直の給料の相場
さてアルバイト病院での当直料は、平日の夜であれば大体4万円から6万円程度となっています。
休日の場合には、24時間の勤務で8万円から10万円といったところが相場でしょうか。
一晩または1日拘束される勤務ではあるわけですが、病院によってはほとんどコールされることもなく、非常に楽してお金を稼ぐことが可能です。
もちろんこれは通常期の給与体系であって、年末年始の場合にはバブルが起こります。
私が今までで見た中で1番高額だったのは、12月31日から1月1日にかけての当直で、24時間ほぼ寝ているだけで15万円と言うものでした。
寝ているだけで時給6.000円という、一般のアルバイト相場からはかけ離れた優良案件なわけですね。
ただこれは貴重な正月を病院の中で過ごさなければならないので、なかなか勇気が要る選択であります。
こう考えてみると、常勤医は当直に関して搾取されている可能性がある
さて、アルバイトへの当直給料はなかなか高額なことを書きましたが、一般病院に勤務している常勤医が自分の病院で当直をする場合には、当直料はせいぜい1-2万円程度です。
これは一般的な相場からすると、明らかに安く買い叩かれています。
「1-2万円で一晩当直業務をお願いします」と求人募集をかけても、間違いなく医者は集まらないでしょうね。
常勤の勤務医には拒否権なんてのがありませんから、病院側としては不当に安い報酬で無理やり常勤医に当直させているのです。
これは裏を返してみれば、総合病院や大学病院の常勤医師は、当直業務の名のもとに安く買い叩かれていることになります。
常勤医は当直業務に関しては搾取されているのです。
まとめ
常勤で勤務している医師が、その病院にで当直業務を行う場合、不当に安い金額で当直業務を行うことになります。
常勤医であっても、自分の行なっている仕事に正当な対価が支払われているのか、ということを十分に意識する必要がありそうです。
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