研修医になった時にすべきことを4つ挙げてみる。これはだけは必要

私も妻も2年間の研修生活を無事に終えることができました。

肉体的に精神的に辛くなって途中でドロップアウトしていく先輩や後輩を見ていると、なんとか2年間生き延びてきたと思います。

ここでは、平穏に2年間の研修生活を終えるために、そして3年目以降もスムーズな医者生活が送れるように必要なことを挙げてみたいと思います。

がんばりすぎない

研修医時代にうつ病になったり、精神的に辛くなったりして、研修を一時的に中断したりやめてしまったりする人は決して少なくありません。

ドロップアウトせずに踏ん張り続ける研修医の背景には、感覚的には10%くらいの研修医は精神的なトラブルを抱えていると思います。

研修医の場合は、数カ月後にいろんな診療科をローテーションすることによって、ほぼ毎月のように人間関係や環境ががらっと変わります。

また医師という肩書きがあるにも関わらず、右も左もわからず迷うことばかりですから、理想と現実のギャップに苦しむ時期でもあります。

ですから研修医生活を順調に終えるためにも、まずは頑張らないことが大切です。

自分の進むべき診療科を決める

今後のことを見据えると大切なのは、将来に進むべき診療科を決定しておくことでしょうか。

研修医になった先生方の6割とか7割位は、どの診療科に進むのかまだ決まっていないことが多いと思います。

あらかじめ「私は◯◯科にすすむ!」と強い決意を持っている研修医をお見かけします。

ただし親の跡を絶対に継ぐ必要があるくらいの強固な理由がなければ、研修医生活を送る上で違う診療科に魅力を感じるようになることもしばしばです。

診療科の決定は早い方が良い

将来に進むべき診療科を決定するにあたっては、可能な限り早い方が良いですね。

専門医制度が大きく変化しつつある2018年にあっては、未確定な部分も多いですが、早めに将来への進路を決定することがが望まれているようです。

内科なんかでは、研修医の2年目終わりに進む診療科を決定してもよかったものが、今じゃ2年目の春くらいまでには決定しないといけない、なんて話も聞きます。

昔の医師たちは大学卒業後すぐに入るべき医局を決めていたことを考えると、昔の制度に少し針が振れた、という程度なのかもしれませんけど。

とにかく専門医を最短で取得するためには、将来専門とする診療科を決めてから、研修医時代からなるべく早く学会に加入する必要が出てきました。

自分の働くべき場所を決める

一旦将来専門とする診療科が決まったとしても、地元の大学病院の医局に入るのか、地元の大学病院の医局に戻るのか、それとも全く違う場所の民間病院に就職するのかなどといった選択肢がたくさんあります。

3年目からは医師としての本当の専門性のスタートですから、診療科に加えて働く場所というのも決めていく必要があります。

東京から地元の地方に戻る同級生も多くいましたし、東京出身で地方大学を卒業して地元の病院で研修、その後東京の大学病院に入局、という同僚もたくさんいます。

また医者として病院に勤務するだけが人生ではありません。

研修医期間を終えてから、基礎研究に進むのも選択肢ですし、民間企業に進むのも立派な選択だと思います。

いまや医師においてもある程度多様な働き方が許されている時代ですから、自分は今後どのように生きていくべきかということも考えておくべきですね。

医師賠償責任保険に入る

医師として患者さんに医療行為を行うことになると、そこには常に責任がついてきます。

研修医の身分にあれば、一つ一つの医療行為は指導医の監督の下行うことになるのですが、もし医療ミスが起き裁判沙汰になってしまうと、研修医も同様に責任を問われることがあります。

長崎市立市民病院(現・長崎みなとメディカルセンター市民病院)の医師が適切な診断を下さず、直後に亡くなったとして、

2010年に急性心筋梗塞(こうそく)で死亡した女性(当時63歳)の遺族が同病院を運営する市立病院機構に約5300万円の損害賠償を求めた訴訟は長崎地裁(田中俊行裁判長)で和解が成立した。

毎日新聞   2016.8.13

この事件では最初に診察に当たった研修医と担当医師の責任が問われています。

このような医療裁判においては、医師の前面に病院が立って裁判を行ってくれることもあります

一方で病院によっては、裁判沙汰になればあとは医師の責任という感じで、医師を守ってくれない病院もあるわけですね。

ですから病院で働く医師として、賠償責任保険に入っている事は極めて重要です。というか入らなければなりません。

私も研修医になってからは、民間医局の医師場賞責任保険に入っており、最大で2億円まで保証してくれるようになっています。

大学の同窓会が斡旋する医師賠償責任保険もあったのですが、保険料と保険内容を比べると、民間医局の方がリーズナルブでしたね。

やはり加入者が圧倒的に多いからなんでしょうか。

医師賠償保険への加入は【民間医局】ドクターエージェンシーシステムから行うことができます。

これだけインターネット上に情報が増え、患者さんの意識も高まっている中では、少しのミスで必ずしも医療者側に過失がなくとも、容易に裁判になってしまいます。

それに病院側が守ってくれるなんて保証はないですからね。指導医が自分を庇ってくれる保証もありません。自分の身は自分で守る、というのが鉄則です。

まとめ

研修時代にすべきことを4個挙げてみました。

まずは研修医生活をドロップアウトしないよう、肩ひじはらずに頑張りすぎないことがポイントです。

【医師の視点】民間医局が発行しているドクターズマガジンがおもしろい。ぜひ読んでおきたい

2018年1月12日
Visited 34 times, 1 visit(s) today

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です