USMLE step1を勉強する中でつまづいた問題

日本とアメリカでは病気の有病率も違いますから、日本の医学部で学ぶ勉強だけでは試験で高得点は期待できません。

例えばこんな問題です。

A man living in southern Japan contracts HTLV-1 infection through sexual contract. 25 years later he develops generalized lymphadenopathy with hepatosplenomegaly, a skin rash, hypercalcemia, and an elevated white blood count. This man has most likely developed which of the following?

A. AIDS
B. Autoimmunity
C. Delayed hepersensitivity reaction
D. Leukemia
E. Recurrent infection

日本の医学部で教育を受けた人間なら、かなり身近な疾患だと思われます。

大学の講義で何回もこの話題について聴いたし、試験でも答えた記憶があります。そう考えてみると、日本人なら最初の一行くらいで答えが分かってしまいそうな気がします。

では逆に、Sickle cell diseaseとかRocky Mountain spotted feverについて学んだかと考えてみると、大学の講義ではほとんどやってません。

血液内科で実習してもSickle cell の人はまず診ないだろうし、地域ごとの罹患率の差で学ぶべき医学内容が変わるなんて、やはり医学というのは臨床に根ざしたものなんだと思いました。

問題1 – 理論が浮かばなかった問題です。

A 54 year old male comes to physician’s office complaining of daytime sleepiness and lack of energy. His wife mentions that he snores loudly and sometimes stops breathing while sleeping.  The patient is at increase risk of developing which of the following?

A: bronchial asthma
B: hypertension
C: bronchiectasis
D: hypertrophic cardiomyopathy
E: laryngeal carcinoma

なかなか難しい問題です。

思考過程

いびき (snore) からは気道が閉塞している事、日中の眠気や活力がないのは就寝中の無呼吸に由来している。

などということから、テーマが睡眠時無呼吸症候群( sleep apnea syndrome、SAS)であることは容易に分かります。ただしSASがリスクファクターとなる病態となると途端に難しくなりました。

SASには中枢性、閉塞性、混合性(中枢性+閉塞性)の3パターンありますが、問題文からはどのパターンであるかの推測は難しいです。呼吸中枢が障害されているエピソードがないので、閉塞性だと無理矢理考える事も出来ますが。

閉塞性のSASと聞けば肥満、だから高血圧と類推することもできますが、これは理論的ではないですね。と迷いつつ私はBを選びました。

解答

SASの病態をもっと深く考えるには、肺に思いを馳せる必要があるようです。

SASでは肺胞換気の低下が血中CO2↑、O2↓をきたし、これらの生理的変化が全身血管と肺血管の収縮を引き起こす。肺高血圧症を来たし、右心不全となる、というのが循環に与える影響のようです。このような病態でSAS患者の50%以上が全身性の高血圧を来すようです。

肺においては換気が低下している部位の肺血管を収縮させて、V/Q mismatch を少なくしようとする機構 (hypoxia-induced pulmonary vasoconstriction) がありますが、この反応の詳細な機序は分かっていないようです。

ということで正解はB、正答率は53%らしいです。SASから肺に思いを馳せるのは、本番では無理ですねたぶん

問題2

A 70-year-old male presents to your office complaining of muscle rigidity. He was diagnosed with parkinson disease 5 years ago and takes levodopa/carbidopa. His initial response to this medication allowed him to keep doing all of his usual activities. Recently he has experienced severe restriction in his movements, sometimes “freezing up”. He also admits to episodes when he “flies” with no rigidity at all, but these episodes happen once in a while and last for only several hours. He requests relief because he feels that he can still “do so much” with his life. In discussing the problem with the patient, which of the following should be emphasized?

A: drug response is unpredictable
B: enhanced drug metabolism is the cause
C: drug holidays are helpful
D: stopping carbidopa is the best management
E: the problem is temporary and will resolve spontaneously

解答

levodopaの服用時間に関係なく、予測できないパーキンソン症状の変化が現れている状態を表します。突然、動きが良くなったり(通常、ジスキネジアを伴う)、急に症状が再発して動きが悪くなったりすることを繰り返します。(ノバルティスファーマより)

ということで、この問題文はon-off現象のことを書いているわけですが、それはどのような性質を持っているか?ということを問うているわけですね。

on-off現象は1、用量に非依存的、2、予期できないという性質がありますので、正解はAになるそうです。なかなか難しいものです。



1 個のコメント

  • はじめまして。5年生です。
    私は9/30に受けて、大学のミスでいまだに結果が着てない人です。
    答えはhypertensionだと思いますが、統計的にそうだろうと思ってました。
    ちょっと調べてみたら、
    夜間の低酸素血症や覚醒反応(無呼吸のたびに苦しくて脳が目覚めてしまう現象)により交感神経が興奮する。
    胸腔内圧の低下(のどがふさがるために、あえいだ状態になり、胸の中が陰圧になる)により静脈の血流が多くなる。
    ということのようです。
    http://www.ketuatu.jp/relation_index.html
    追い込みの時期ですね。
    がんばってください。

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