【医師の視点】学閥が強い大学は研究力も高い。出世をするなら学閥の強い大学が有利である

学閥の強さと、医学部における研究力には強い関連があるかと思います。

関連病院をたくさん有している東京大学医学部や京都大学医学部は、学閥が強いといって間違い無いでしょう。

そしてこれらの大学では、基本的に研究力も高い傾向があるでしょうか。

この学閥と研究力の関係について考えてみたいと思います。

学閥が強い大学の特徴とは

学閥の強さは、主としては医学部の歴史によって規定されている部分が大きいかと思います。

具体的には旧帝国大学を始めとした歴史ある大学医学部であり、これらの大学は各地域の中の有名な関連病院を牛耳っています。

関連病院が多いということは、それだけ医師を派遣できる病院が多い、または関連病院から症例を集めやすいということに他なりません。

関連病院に就職した研修医なんかを

うちの大学病院の医局に入らない?

といえば、当然派遣元の医局に入っていくわけですからまあ縄張りみたいなものですね。

このほか、立地の面も旧帝国大学には有利に働いているでしょう。

北海道から九州まで、旧帝国大学があるのはすべて人口100万人以上の大都市です。

都市圏という考え方をするならば、九州大学のある福岡、東北大学のある仙台、北海道大学のある札幌などは100万人以上の都市圏を形成していますから、もちろん病院の密度も高くなりますね。

東京や大阪、名古屋などはいうまでもありません。

新臨床研修制度が始まり、2000年代からは大学に人材が集まりづらくなっている現状が指摘されていますが、これら旧帝国大学は都市部に立地しているが故、人材が集まりやすい背景があるようです。

この立地の背景も、人材を集めて学閥を維持する原動力となっているように思います。

学閥の強さが研究力を決定づける

このような学閥の強さは、各大学の研究力も規定しています。

学閥が強いがゆえ医学研究が盛んになったのか、それも研究が盛んであるから学閥が強くなったのかは、難しい問題です。

歴史を紐解いてみると、旧帝国大学医学部は全国の7地方に設立されたわけですが、これらの大学では早くから多くの人材を集めることができました。

そして、その地域における医学の拠点となったわけです。

もちろん医学研究の点でも他の地域をリードしており、そのために多くの人材が集まってくる土壌がありました。

地域の多くの関連病院に人材を派遣し、かつ医学部で基礎研究・臨床研修を行なっていくには、それらを担う人材が必要ですから、人が集まってくることは非常に大切です。

また研究力の高さは、各大学に配分されている科学研究費をみても一目瞭然ですし、発表される論文の質もみても明らかです。

Wikipediaにも大学ごとの科学研究費のランキングが示してあります。

Wikipediaに掲載してある配分は、医学部だけではなく大学全体に対する研究費のランキングではありますが、上位7大学は旧帝国大学で占められています。

人が集まり、研究が行われ、研究費が配分され、さらに研究が進む。そのような好循環があるがゆえ、学閥が強い旧帝国大学では医学研究が盛んになっているのでしょうか。

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出世を目指すなら医学研究が盛んな学閥が強い大学に所属することが大切

大学・医学部には大学病院で臨床を行っている医師の他にも、多くの研究者が医学部やその付属の研究機関に集まり、日々研究をしています。

もしアカデミックな世界で出世を目指すのであれば、是非とも医学研究が盛んな大学で働くべきなのです。

業績を上げやすい

学閥が強い大学は国から多くの研究費を交付され、研究力も高いことが多いですね。

出世に必要な業績を積む点では、地方大学や私立大学よりも、都市部の学閥が強い大学で研究を行うべきなのです。

東京大学や京都大学の各研究室は、恐ろしいほどの研究者と予算を有しており、地方大学が何校が束になってもヒト・モノ・カネの点では敵いません。

研究業績の点でもこれらの大学は一歩二歩といわず五歩十歩抜きんでていますから、まず業績を考えるならば東京大学や京都大学で研究すべきです。

研究内容とタイミングが良ければ、世界的にもインパクトのある研究を行うことができて、学会から注目される存在になることもできます。

教授になりやすい

上記に述べた業績を上げやすい事実は、すなわち教授になりやすい事でもあります。

医学部の教授になるにあたっては、教授になるまでにどれだけの業績を上げることができたかを判断基準にして決定されます。

例えば日本の最高学府である東京大学や京都大学で業績を積んだ医師や研究者は、数多く他の大学の教授に就任しています。

これは東京大学や京都大学において研究をすることによって業績を積みやすく、優れた業績を持った研究者が多数在籍していることの証でもあります。

もちろんその背景には、教授になるための土台となって棄てられていった研究者たちがいるわけですが、これは仕方ありません。

一方で地方大学で研究を行なってきた医師や研究者は、東京大学や京都大学の教授にれる確率はほとんどないと言って良いでしょう。

それどころか自分の大学の教授になるのですらかなり困難であるはずです。それだけ、地方大学では一流の業績を積むのが難しいのです。

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典型的な教授になるパターン

したがって、教授になるには自ら卒業した大学に関わらず、東京大学や京都大学で研究生活をスタートさせることが肝要です。

学閥の壁や外様差別なんて関係ない!とにかく歴史と研究費が潤沢な大学で研究するしかないのです。

これらの大学で医者人生・研究者人生をスタートさせたのち、アメリカの大学や研究所に研究留学し大きな成果を挙げるのがなんといっても業績を最大化させる近道です。

これらの大学は研究力が高いだけでなく、周囲の私立大学の教授ポストともかなり密接な関係がありますから、より教授になりやすい環境にあると言えるのです。

研究のスタート地点から正しいキャリアプランを立てることこそが、出世する近道といえるのではないでしょうか。

【医師の視点】医学部における学閥支配の概要。各医学部が有する勢力範囲とは?

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