セカンドオピニオンを受ける場合について心得ておくべきこと。デメリットもあり




数年前に比べると、セカンドオピニオンの制度は随分と身近になった感じがあります。

セカンドオピニオンを求めて他院を受診する患者さんもいますし、逆にセカンドオピニオンを求めて受診してくる患者さんもいますね。

ここではセカンドオピニオンを受けることについて、良いこと、悪いことについてご紹介したいと思います。

セカンドオピニオンとは

医療の分野の場合、患者が検査や治療を受けるに当たって主治医以外の医師に求めた「意見」、または、「意見を求める行為」。

主治医に「すべてを任せる」という従来の医師患者関係を脱して、複数の専門家の意見を聞くことで、より適した治療法を患者自身が選択していくべきと言う考え方に沿ったものである。

Wikipedia; セカンドオピニオン

特にがん治療の中で使われる用語かと思いますが、現在の病院からは手術を提示されているけれども、違う治療ができないかどうか、異なる病院を受診する場合には、「セカンドオピニオンを求めて受診する」といいます。

治療方針が変わることはあるか

ガイドラインには、患者さんごとの治療方針が示されているわけでありますが、病院ごとによって治療方針が変わるのは全く珍しいことではありません。

手術が得意な病院や、医師や看護師などのスタッフが充実している病院では、より外科手術が選択される傾向にありますし、放射線治療が熱心な病院では、そちらが選択されることもあるでしょう。

特に大学病院なんかではリスクのある症例であっても積極的に手術を行うことが多いでしょうから、地域の病院で手術はできないと言われても、意外とすんなりできてしまうことがあるようです。

ただし、8-9割の患者さんに関しては病院ごとによって治療方針が大きく変わることありません。

大抵の場合はセカンドオピニオンで受診されても「前医の意見を支持します」というような判断をする場合が多いかと思います。

セカンドオピニオンの意義

2−3の病院を受診し、今現在の病状に対してどの治療方法が適切なのか、病院を変えて評価してもらうことは大切ですね。

それによって治療方針が変わることがあれば、病状によっては長期の生存が可能になる可能性もあります。

仮に治療方針が前医と同じであったとしても、セカンドオピニオンには重要な意義があるでしょう。

仮に提示された方針が前医と同じであったとしても、「やっぱりこの病院でも同じ方針だったか」と治療について納得した上で治療を受けることができることではないでしょうか。

信頼できそうな医師から提示された治療であっても、やはり患者さんとしては他のもっと良い治療方法がないのか知りたくなる気持ちは当然です。

病気の進行を考える必要もあり

一方でセカンドオピニオンには確実にデメリットも存在します。それは治療の開始が遅れてしまうことです。

以前私たちの外来にセカンドオピニオン目的にやってきた患者さんの中に、比較的進行の早いがん患者さんがいました。

その患者さんは1番最初にがんと診断された病院から、誰がどう考えても真っ当な手術治療を提示されていたのですが、患者さんや家族はその治療に納得できなかったようです。

そして色々な病院を渡り歩き、私たちの外来にやってきた時には、がんと診断されてからすでに2ヶ月近くが経過していました。

当然、こちらから違う方針を示せるわけもなく、一番最初の病院でなるべく早く手術をしてもらうように提示しました。

結局のところこの患者さんは、治療を急ぐ状況にありながら治療開始まで2ヶ月以上時間が経過しており、結果的には無駄な時間を過ごしたことになってしまったのです。

標準治療を行うことが大切

現在のがん治療においては、病気の進み具合に従って、ガイドラインに示されている標準治療を行うのが最も確実な治療法です。

したがって極めて高度な判断が求められる病状は別として、大抵の場合は治療方針がだいたいどこの施設でも同じように決定されることが多いかと思います。

健康な成人における早期胃癌の症例であったとして、いきなり放射線治療とか免疫治療など、適応外の治療は絶対に提示されないわけです。

しかしながら雑誌やインターネット上には、ある事ない事、患者さんを惑わすようなたくさんの医療情報があふれ、それらの情報によって治療の開始が遅れている患者さんが多くいることを強く実感します。

セカンドオピニオン自体は素晴らしい制度なのですが、あまりにもセカンドオピニオンの固執しすぎるが故に、一部の患者さんにとっては不利益になっている場合もありますから、そのあたりのバランス感覚は難しいところですね。

がん治療における治療適応の決まり方。治療方針を左右する要素5個

2018.03.30

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